日立ソリューションズは8日、クラウド型の農業を支援する生産履歴管理・農薬適正使用システム「栽培くん」の提供を、3月11日から開始すると発表した。

株式会社日立ソリューションズ 社会システム事業部 北海道社会・公共システム部 担当部長 西口 修氏

株式会社日立ソリューションズ 社会システム事業部 北海道社会・公共システム部 主任技師 山形 典子氏

同サービスは、作物を栽培する田畑である圃場ごとに品目・品種、播種日、定植日、収穫日、農薬の使用状況、肥料の使用状況などの栽培履歴を記録・管理することで、農薬の適正使用に向けて生産者を支援し、生産者がインターネット環境で日々栽培履歴を記録したり、農薬シミュレーション機能により、農薬の使用方法が農薬使用基準に適合しているかを農薬散布前に確認することができる。

生産者向けの主な機能は、圃場管理、栽培状況管理、出荷履歴管理などがあり、農業生産法人の代表者や農業団体の指導員などといった管理者向け機能としては、栽培状況管理、出荷履歴管理、栽培履歴管理用記帳シート登録、 農薬・肥料などのマスタデータ管理などが挙げられる。

栽培くんの特徴とシステム画面

価格は、クラウドサービス加入料(システム環境設定、生産者・作物マスタ登録、農薬DB調整、動作確認テストなど)といったイニシャルコストは157万5千円。クラウドサービス年間利用料(クラウド環境、監視サービス、アプリケーション、ヘルプデスクの利用など)はユーザ数の規模によって段階的に異なり、100ユーザで147万円~となっている。

また、JPP-NETの利用料など別途費用が発生し、JA以外の農業法人などに向けたサービスは今後設定していくとしている。

同社は、JA全農東京とNTT東日本の協力の下、同サービスを開発し、2013年1月1日から先行的にJA全農東京管内にある14のJAと所属する生産者に利用されているとしている。

2004年の農業情報管理システム「GeoMation Farm」の発売を機に農業ITに取り組み、営農情報の管理システムによる農業の見える化と蓄積した情報を活用した農業の効率化を支援。今後も、クラウドやビッグデータなど、新たな技術を農業の現場に適用することで、農業の生産性向上や作物の品質改善を支援していくとしている。