NTTデータは2月18日、金融機関向け電子記録債権対応ASPサービス「DENTRANS」の開始を発表した。

「DENTRANS」サービスイメージ

同サービスは、金融機関が全銀電子債権ネットワーク(以下、でんさいネット)に接続する際に必要な機能を提供する金融機関向けサービスで、金融機関は、同サービスの利用により、でんさいネット接続に伴うシステム投資を大幅に削減しつつ、電子記録債権の利用を希望する企業に対してインターネット・FAX・金融機関窓口といった多様な手段で電子記録債権取引を提供することが可能となる。

でんさいネットには、一般社団法人全国銀行協会に加盟する会員銀行ならびに、信用金庫、信用組合等の金融機関が参加加盟しており、それらの加盟金融機関が、企業向けにでんさいネットのサービスを提供するには、金融機関側ででんさいネット接続対応、電子記録債権を取り扱う上での各種セキュリティー機能の構築、ハードウエア設備拡張などのシステム対応を実施する必要があり、多くの投資コストが発生する。

金融機関は、「DENTRANS」を利用することで、システム対応を独自に行う必要がなくなり、個別のシステム対応を行う場合と比較すると、構築時・運用時ともに、大幅にコストを抑制して、でんさいネットのサービスを提供することが可能となる。

ASPサービスで提供されるため、金融機関は個別に取扱量の変化にシステム対応する必要がなくなり、取扱量に応じた料金体系を採用のため、サービス量の変化に対して、過剰投資や設備不足といったリスクを避け、柔軟に対応を行うことが可能となる。

利用者には「利用企業に向けた多様な電子記録債権取引機能を提供」、「営業店での取引を可能とする運用管理機能」、「インターネット取引に加え、窓口、FAX取引にも対応」、「インターネットバンキングとのシームレスな連携」、「制度改正によるシステム変更に対応」、「DENTRANS企業向けヘルプデスクサービスを提供」といったメリットが提供。

さらに、同サービスは、NTTデータがこれまで金融機関向けインフラシステムを多数手がけてきた実績を生かし、新たな社会経済インフラを担うサービスとして高い信頼性を確保。バックアップセンターを用意し、システムの安定運用が行えるよう十分な対応を図っている。主な対応として、サーバー・電源設備の完全二重化、耐震構造をもつデータセンターへの設置、不正アクセス防止機能、なりすまし防止機能を備えている。

なお、2月18日より200を超える金融機関で、同サービスを利用した電子記録債権サービスが開始されており、今後さらに多くの金融機関における導入が予定されている。