日本マイクロソフト株式会社 デベロッパー&プラットフォーム統括本部 インフラストラクチャーテクノロジー推進部 エバンジェリスト 高添修氏

企業ITに仮想化が導入され始めて約5年。多くの企業がサーバ環境の見直しや移行を検討する時期に差し掛かっている。昨年9月にリリースされたWindows Server 2012が標準搭載するHyper-VとVDI(Virtual Desktop Infrastracture)によって、これからの仮想化は、より身近で現実的なものになる。マイナビニュースでは2月6日(金)/2月8日(水)/2月15日(金)の3日間、「マイナビニュース仮想化セミナー」を開催する。本稿では、2月8日(水)【Day 2】のセッションに登場する日本マイクロソフトのエバンジェリスト 高添修氏からのメッセージをお届けしよう。

パブリックな仮想化基盤としてのHyper-V

民間調査による仮想化市場におけるHyper-VのシェアはNo.1となっていますが、Windows Serverに標準搭載されており、他社製品に比べてコストが抑えられる点がその理由のひとつであることは間違いないと思います。ただ、その背景として、機能の大幅な向上という要素があることに注目していただきたいと思います。

正直なところ、従来のHyper-Vは大規模なデータセンターやパブリックなクラウド基盤としては十分とは言えない側面がありました。しかしWindows Server 2012からは、海外の第三者機関によるベンチマークサイト「Virtualization Matrix」でも"ほぼ同レベル"と評価されているように、状況は大きく変わっています。これがいわゆる "三代目" のHyper-Vの姿です。

仮想化の大きな目的は集約率を上げることですから、ユーザーが求めるのは"潤沢なリソース"です。仮想化のメリットを生かすなら、ハードウェアにそれなりの投資を行わなければなりません。もし「OSに搭載されている仮想化機能で十分」ということになれば、余ったコストをハードウェアリソースに回すことができます。他の仮想化基盤で稼働している環境を、ほぼそのままHyper-V環境に移行させることができるツールも提供していますから、新しい環境を動かしつつ、古い環境からファイルを抜き取って移すこともできます。その柔軟性が仮想化を導入する理由でもあります。

より現実的になったVDI

VDIは、データセンターの中に仮想マシンを配置して、クライアントPCを集約管理するためのものです。どの企業もVDIを導入したいのはやまやまなのですが、コストや管理面でのハードルが高いため、なかなか手が出なかったのが実情だと思います。

Windows Server 2012では、"管理"を完全に自動化し、ユーザーが二の足を踏んでいたVDIをぐっと身近にします。例えば、データセンターに仮想マシンを10台並べる際、「何台のマシンを作りますか?」という項目に「10」と入力するだけで自動的に10台の仮想マシンを作成できます。もちろんこれはOSの標準機能ですから追加のコストがかかりません。

また、新しいVDIでは通信プロトコル(RDP)が強化されていることも特徴となっています。高性能とされる他社のプロトコルと同等レベルにまで近づけており、他社の追加のソリューションが不要になるわけす。このような状況を踏まえると、Windows Severを選択するということは、非常にシンプルなシナリオになります。

自動化でITを"サービス化"する - System Center 2012

「仮想化を導入すれば運用がラクになると思ったのに、かえって業務負荷やコストが上がってしまった」という話をよく耳にします。なぜこのようなことが起きるのかというと、(仮想)サーバの立ち上げが容易になったため、結果として管理すべきサーバの数が増えてしまったからです。また、「仮想化を導入したが、現場で使いこなせていない」という話もありがちです。管理者はサーバの管理業務に追われ、本来の目的であるサービスを十分に提供できていないというケースも見受けられます。

仮想環境では、自動化できる部分は自動化して運用負荷を軽減することが重要になります。そのための管理ツールが「Microsoft System Center 2012」です。System Centerにはグラフィカルなインタフェースが用意されているほか、パブリックから社内まで、あらゆるシステムの運用管理を自動化するソリューションが用意されています。System Center 2012は、SP1でWindows Server 2012に対応しましたが、どなたもSP1 の評価版をダウンロードできる状態になっています。

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これまでの仮想化は「仮想化すること自体が目的」といった、ITインフラとしての投資対象だったが、高添氏は「今後注力すべき投資対象となるのはアプリケーション(サービス)です」とし、そのためには「仮想化だけを見ずに、仮想化を含む自動化の推進を検討すべき」と指摘している。2月8日(金)のセミナー「【Day2】今こそ仮想化基盤を再考しよう! ~次世代仮想基盤に新たな可能性をもたらすWindows Server 2012~」では、同氏によるHyper-V、VDI、System Center 2012による "自動化" のデモも披露される予定となっているので、ぜひ会場に足を運んで確認していただきたい。