ASUS JAPAN システムビジネスグループ テクニカルプロダクト エンジニア 阿部直人氏

ASUSTeK Computerは18日、12日より販売が開始された、4.7型ディスプレイ搭載のスマートフォン「PadFone 2」に関する報道関係者向けの説明会を開催。製品開発担当者が「PadFone 2」の製品概要について紹介した。

「PadFone 2」は10.1型の専用ドック「PadFone 2 Station」に取り付けることで、タブレットPCとしても利用可能な機構を搭載したユニークなAndroidスマートフォン。海外では2012年10月に発表されていたが、2013年1月12日より日本国内でもSIMフリー端末として販売を開始した。希望小売価格は79,800円。

ASUS JAPAN システムビジネスグループ テクニカルプロダクト エンジニア 阿部直人氏は、「ユーザーからも高評価を受けており、まずは順調な滑り出しといったところ」と発売直後の製品の状況について説明する。

スマートフォンがタブレットに早変わり

「ASUSではPadFone 2のことを『スマートフォン』ではなく、『スーパーフォン』と呼んでいる。PadFone 2は、1つのコンテンツを2つのスタイルで楽しむことができるこれまでの常識を覆した新しいジャンルの製品だ」と阿部氏は製品の位置づけを話す。

「PadFone 2」には、同社独自の「Dynamic Display」と呼ばれる技術を搭載。本体を「PadFone 2 Station」と接続すると、約1秒で「PadFone 2 Station」側のディスプレイに画面が表示され、10.1型のタブレットとして利用できる。本体側にプロセッサやストレージを搭載しているため、「PadFone 2 Station」単体で動作させることはできない。データも本体側に集約されている。

「PadFone 2」と「PadFone 2 Station」

「PadFone 2」本体はそのまま利用可能

「PadFone 2 Station」の背面に取り付けるためのスペースが

そのまま差し込むと10.1型タブレットとして利用できる

本体と「PadFone 2 Station」はコネクタで接続。通常のミニUSBなどとはちょっと違う独自仕様の模様

デザインは同社のUltrabook「ZENBOOK」シリーズのような渦巻き型のヘアライン加工を施して高級感を演出。本体は最薄部で3.3mm、最厚部で9mmのくさび型のデザインを採用する。重量は本体だけで135g。「PadFone 2 Station」と合わせても649gとほかの10.1型タブレットと比較しても遜色のない軽さとなっている。

「ZENBOOK」シリーズと同様のヘアライン加工

下側の方に行くにしたがって薄くなる

「PadFone 2 Station」と合わせても649g

バッテリも大容量となっている

「PadFone 2」本体の仕様は、OSがAndroid 4.1.1、CPUがQualcomm Snapdragon S4 Pro APQ8064(1.5GHz/4コア)、グラフィックスがAdreno 320、RAMが2GB、ROMが64GB、ディスプレイが4.7型Super IPS+液晶(1,280×720ドット)。外部メモリは増設できないが、同社のクラウドストレージサービス「ASUS WebStorage」が50GB分利用できる(24カ月無料の体験版)。

通信面では無線LANがIEEE802.11a/b/g/n、Wi-Fi Direct、Bluetooth 4.0に対応。バッテリ容量は2140mAh。サイズと重量はW68.9×D137mm×H9mm/約135g。

「PadFone 2 Station」の主な仕様は、ディスプレイが10.1型IPS液晶(1,280×800ドット)、インカメラが100万画素、バッテリ容量は5000mAh。サイズ/重量はW263×D180.8×H10.4mm/約514g。

「PadFone 2」本体の仕様

「PadFone 2 Station」の仕様

豊富な機能を搭載するSIMフリー端末

また、SIMフリー端末として日本国内ではWCDMAに対応した通信キャリアやMVNOのSIMカードを利用して通信を行うことができる。対応周波数帯は900MHzと2100MHz。

阿部氏は、「通常だとスマートフォンとタブレットの両方に対して端末代金がかかるうえに、それぞれに通信費が必要な場合があり、経済的な負担が大きい。PadFone 2では1枚のSIMカードでスーパーフォントしてもタブレットととしても利用できるので、通信費も抑えられる」とコスト面でのメリットを強調した。

本体上部にSIMカードのスロットがある

ちなみにタブレット状態でも通話が可能。スピーカーフォンのようになる

このほかの機能として、カメラはインカメラが120万画素、アウトカメラが1,300万画素。シャッターボタンを押し続けることで100枚の連続撮影が可能。撮影した写真に対してエフェクトをかけることもできる。30fps/1080pに加えて、60fps/720pでの動画撮影も行える。サウンド面では同社製品でおなじみの「SonicMaster」ほか、アプリ「Audio Wizard」を搭載する。

シャッターを押してる限り100枚まで連写かぬ御

肌や輪郭の加工もできる

ソフトウェア面では、アプリやデータのバックアップや「インスタント翻訳」、アプリの起動をロックする「App Locker」、「SuperNote」といったアプリを搭載する。

阿部氏は「ASUSでは、2011年からキーボードとディスプレイが取り外し可能な『Eee Pad Transformer TF101』や、スライド機構を採用した『Eee Pad Slider SL101』など革新的な製品を展開してきた。今後も『PadFone 2』をはじめとする魅力的な製品を発表して伝説をつくっていきたい」と意気込みを語った。

サイドもかなり薄い印象を受ける

「PadFone 2 Station」も薄さ10.4mmと薄型