安川電機は1月15日、脱ネオジム磁石を実現した電気自動車(EV)駆動用モータを開発したことを発表した。
従来、EV用モータなどでは、ネオジムやジスプロシウムなどのレアアースを用いることで高い性能を実現してきたが、近年、資源の偏在による地政学的リスクの高まりや価格の高騰などの問題があり、いかに入手を容易に行っていくかが課題となっていた。
そうした課題を受けて同社では今回、入手が容易なフェライト磁石を用い、ステータの巻線に平角線を適用することで巻線の高密度化を実現すると共に、ロータの磁気回路を最適化することで、従来のネオジム磁石を用いたモータと同等の外形寸法を実現したネオジム磁石不使用のEV駆動用モータを開発した。
同モータは、フェライト磁石を用いたIPM構造として、磁石・コアの形状や配置を最適化することにより、トルク特性を向上すると共に、課題となる耐低温減磁性も改善することに成功している。また、独自の巻線切替モータに適用することで、高効率特性も併せ持つモータドライブも実現したという。
試作されたモータの仕様は、最高回転速度は12000min-1、連続出力は45kW、最大出力は80kW、最大トルク200N・mとなっており、質量は約60kgで、同社では2013年9月よりサンプル提供を開始する予定としている。