ソフトバンクモバイルは11月30日、米アップルのタブレット端末「iPad mini Wi-Fi+Cellular」「iPad Retinaディスプレイモデル Wi-Fi+Cellular」の販売を開始。同日、旗艦店のソフトバンク銀座で発売記念イベントが開催された。

iPad RetinaディスプレイモデルとiPad mini

iPad Retinaは、9.7インチ2,048×1,536ピクセルという高解像度のRetinaディスプレイを搭載。クアッドコアのA6Xチップを採用しており、単純計算で従来比2倍のパフォーマンスを実現している。

iPad miniは、7.9インチ1,024×768ピクセルの液晶、デュアルA5チップを搭載。iPad 2と同等のパフォーマンスを備えながら、従来よりも軽量、コンパクトなボディに仕上げた。

今回発売されたのは、この両モデルのWi-Fi+Cellular版で、今回は、ソフトバンクとKDDIから発売される。

発売イベントは朝8時から、ソフトバンク銀座で開催された。イベントに登壇した同社の宮内謙副社長は、最近はiPad miniを利用しており、「小さいと思っていたが、新聞を読んだり、仕事をしたり、全く問題ない」とアピール。「ジーンズのポケットにも入るし、女性のハンドバッグにも入る」とコンパクトなボディと持ち運びやすさを強調した。

宮内副社長

また、今回のWi-Fi+Cellular版でLTE回線に対応したことで、「ブロードバンドをタブレットで利用できる」と宮内副社長。通信環境の変化が、タブレットの使い勝手も向上させると述べた。

Wi-Fi+Cellular版は、正面から見ると違いはないが、背面のアンテナ部分が異なる

LTEを受信している

設定でLTEのオフも可能

各社のLTEの電波をつかむことは可能

宮内副社長は、iPad miniが「女性に人気が出ると予想していた」とコメント。実際、ソフトバンク銀座に一番乗りで並んでいたのは女性だった。この女性は、これまでiPadを使っていたが、「重くて寝ながら使っていると落としそうだった」とのことで、コンパクトな点がiPad mini購入の決め手になった述べた。

8時の開店とともに、並んでいた90人以上は順次店内で契約をすませ、一番乗りの女性には、宮内副社長自ら最初の端末を手渡していた。

オープンの瞬間と一番に並んだ女性に端末を手渡す宮内副社長

iPadシリーズはいずれもWi-Fiモデルの方が多く売れている。しかし、宮内副社長は、ソフトバンク店舗ではWi-Fi+Cellular版の販売が多くなると予想した。

ソフトバンク銀座店内には、iPad mini用ケースも販売されている

このほか、料金プランについても語られた。11月29日の夜に発表したiPad向けプランはスマートフォンのテザリングとWi-Fi版、スマートフォンとWi-Fi+Cellular版、といった複数の組み合わせを想定して、工夫したのだという。

発売前日の夜というタイミングで料金プランが発表されたことについて問われた宮内副社長は、「ギリギリまで協議していた」としつつ、「通例でこれまで発売前日に料金プランを発表していた」と話す。アップルとも料金プランの協議をしていたが、最終的に社内協議がギリギリになったようだ。宮内副社長自身は問題ないという認識を示しているが、ユーザーにとって適切なタイミングでの料金発表か、というと疑問が残るだろう。

いずれにしても、今回のiPad RetinaとiPad miniのWi-Fi+Cellular版は、ソフトバンクだけでなく、KDDIも取り扱いを始め、両社の競争はさらに激化するだろう。そのため、ソフトバンクではLTEネットワークの構築を急速に進めており、特に「11月は劇的に改善した」と強調する。宮内副社長自身、「当初はKDDIに負けていた」と認めるが、すでに山手線の駅全てで通信が可能になり、地方のカバーエリアもKDDIを上回っていると自信を見せ、「LTEで優位性を保てる」と胸を張っていた。

12月から放映する新CM。ELTの2人が地方に行き、広いカバーエリアをアピールするというものになっている