STMicroelectronicsは、エネルギー・ハーベスティング機能(エナジー・ハーベスト)を内蔵した非接触メモリを搭載するシステム向け開発キット「M24LR Discovery Kit」を発表した。
同キットは、ISO15693準拠のNFC対応スマートフォン、またはRFID(Radio-Frequency Identification)リーダ・ライタを使用してデータ交換可能なバッテリを使用し ない電子機器の設計に必要なものがすべて含んだターンキーソリューションで、自己給電型データ収集・資産管理・診断といった機能を、スマートフォン・タブレット用アクセサリ、コンピュータ周辺機器、電子棚札、生活家電、産業オートメーション、センシングおよびモニタ・システム、パーソナル・ヘルスケア機器など、様々なアプリケーション向けに開発・統合期間などの短縮を可能とする。
キットは同社の32ビットマイコン「STM32」で制御され、13.56MHzマルチプロトコルRFID/NFCトランシーバ「CR95HF」を搭載したRFトランシーバ基板と、電磁波を電源に変換して無線通信するデュアル・インタフェースEEPROMメモリIC「M24LR」、低消費電力8ビットマイコン「STM8L」、および温度センサ「STTS75」を搭載したバッテリ無しの基板で構成されている。M24LRは、I2Cと非接触RFインタフェースを組み合わせたメモリICで、有線または無線でホスト・システムと通信することができるほか、RFインタフェースは、RFIDリーダ・ライタやNFC対応スマートフォンまたはタブレットから周囲に放射された電磁波を電力に変換することで回路の電源とすることができるため、完全にバッテリを使用しない動作が可能だ。
なお、同キットはすでにサンプル出荷を開始しており、価格は17.50ドルとしている。