実際に約1週間、MOTOROLA RAZR Mを使用してみた実感としても、バッテリーの持ちはかなり良く、1日放置していたときなどのバッテリーの減りはかなり少なかった。もちろん、バックグランドで同期を行なっているアプリの数など、使用状況によってもバッテリーの減りは変わってくるが、LTEなどの高速通信に対応したスマートフォンは「バッテリーの持ちが悪い」と感じている人が使ってみたら、印象が変わるかもしれない。

下り速度76MbpsのSoftBank 4Gに対応

前述した通り、ソフトバンクモバイルの高速通信サービス「SoftBank 4G」に対応しているのもMOTOROLA RAZR Mの特徴だ。SoftBank 4Gは、AXGP方式を採用した高速通信サービスで、下り最大110Mbps、上り最大10Mbpsという高速通信を利用できるのが特徴。ただし、MOTOROLA RAZR Mを含め、現時点で発表されているSoftBank 4G対応のスマートフォンの下り最大速度は76Mbpsとなっている。

ちなみに、SoftBank 4Gは、FDD-LTE方式を採用した下り最大75Mbpsの「SoftBank 4G LTE」とは異なるサービスであり、SoftBank 4G LTEに対応したソフトバンク版iPhone 5と、MOTOROLA RAZR Mでは利用できる高速通信サービスが異なっている。

SoftBank 4Gの利用エリアは、現在拡大中であり、ソフトバンクモバイルでは2012年度末に全国政令指定都市の人口カバー率99%を目指すとしている。利用エリアの詳細な情報は、ソフトバンクのWebサイトで確認可能だ。また、SoftBank 4Gの利用エリア外は、利用エリアに応じて下り最大42MbpsのULTRA SPEED、またはSoftBank 3Gに自動で切り替えて接続できるようになっている。

実際にMOTOROLA RAZR Mで通信したみたが、都内在住の筆者の生活圏内では、かなりのエリアでSoftBank 4Gに接続することが確認できた。そして、個人的に驚かされたのがSoftBank 4Gの実測速度だ。1カ所での計測であり、あくまで参考値だが、渋谷区で10月30日に3回の速度計測を行ったところ、平均速度は下り41.89Mbps、上り4.23Mbpsとなり、下り速度の平均が40Mbpsを超える結果となった(速度計測にはスマートフォンアプリの「speedtest.net」を用いた)。

SoftBank 4G接続時のMOTOROLA RAZR Mの通信速度を計測した結果

比較として計測したau版iPhone 5のLTE接続時の通信速度

ちなみに、こちらも参考値だが、個人的に使用しているau版iPhone 5を用い、同条件でLTEの通信速度を計測したところ、平均速度は下り7.63Mbps、上り6.79Mbpsだった。通信速度はエリアのほか、ネットワークの混雑状況などによっても変化するので、あくまで参考値として見ていただきたいが、SoftBank 4Gのエリア内であれば、下り速度にはかなり期待できるだろう。

また、MOTOROLA RAZR Mは、3G通信では900MHz帯の周波数に対応している。900MHz帯はいわゆる「プラチナバンド」と呼ばれるもので、室内やビルの陰などでも電波が届きやすい性質があり、よりよい通話品質や3Gでの通信品質が期待できる。

MOTOROLA RAZR Mは、スマートフォンをWi-Fiルーターのように使える「テザリング」にも対応している。パソコンやタブレット、携帯ゲーム機などのWi-Fi対応機器でMOTOROLA RAZR Mに接続し、インターネットを利用することが可能になる。なお、ソフトバンクモバイルがテザリングサービスの提供を開始するのは、2012年12月15日からとなっているため、同日以降の利用となる。また、テザリングを利用するには、テザリングオプションへの加入が必要となり、申込受付は12月31日まで。テザリングオプションの利用料金は月額525円だが、2年間は無料で利用可能だ。

なお、SoftBank 4Gでは月間のデータ通信量が7GBを超えると速度制限が行われる。データ通信量は端末の設定画面から確認可能だ

快適に端末を利用できる独自機能を搭載

ここからは、MOTOROLA RAZR Mに標準搭載されているアプリや機能について見ていこう。MOTOROLA RAZR Mの機能面での特徴は、グローバルモデルをベースとしていながら、FeliCaを搭載し、おサイフケータイに対応していることだ。