インパクトのある180度チルト液晶モニタを装備し、外観デザインはもとよりUIまで完全刷新するなど、カシオの意気込みがびんびん伝わってくる最新EXILIM「EX-ZR1000」。今回、いち早く製品版を手にすることができたので、さっそく注目の新機能を中心にレビューをお届けする。
ZR1000のボディカラーは黒/白/赤の3色。特別仕様のEXILIM 10周年記念モデルも5,000台限定で2012年12月に発売予定 |
新機能「モーションシャッター」が楽しい!
ひんやりと冷たい金属ボディ。直線と円を基調に構成されたシャープな軍艦部。ギラつきのない、落ち着いたブラックペイント。リング周囲のファンクションリング。その外見は、ついにカシオが「高級コンデジ」をリリースしたのか、と思わせるに十分な質感にあふれている。実際、価格も店頭予想で50,000円前後と、同じEXILIM ZRシリーズのZR300など従来機に比べて高めの設定だ。
しかし、実際に使ってみると、センサーやレンズにお金をかけることで高級化したコンパクトデジタルカメラとは、ベクトルが大きく異なることに気付くだろう。そのキャラクターをあえてひと言で表現するなら「スーパーコンデジ」。一眼には逆立ちしても実現できない、コンパクトならではのメリットとユニークなアイディアが詰め込まれている。早い話が、使うたびに「すげぇ!」と驚かせてくれる、そんなカメラである。では、どこがどう「すげぇ!」のか、さっそく見ていこう。
掲載した写真をクリックすると別ウィンドウで拡大表示となる。撮影サンプルの一部には4,608×3,456ドットの元画像も用意した。
レンズのF値はF3.0(W)~F5.9(T)、焦点距離は35mm換算で約24~300mmの12.5倍光学ズーム。プレミアムズーム(超解像技術などを使った高品質なデジタルズーム)併用時は25倍になる |
記録メディアはSD/SDHC/SDXCメモリーカードと、内蔵の52.2MBメモリ。標準バッテリの静止画撮影可能枚数はCIPA規格で約470枚 |
外観で断然目を引くのは、やはり180度チルト液晶モニタだ。が、ここで感心させられるのは、ただ単純にモニタの角度が変わるというだけでなく、新機能と有機的に結び付いていることだろう。その新機能が「モーションシャッター」だ。
モーションシャッターは、おもに記念写真や自分撮りに使用する。液晶モニタを正面に向けてシャッターボタンを押すと、画面に手のひらアイコンが表示される。液晶モニタに映る自分の位置を確認しながら、構図が決まったところで、モニタ上の手のひらアイコンに触るように手を伸ばすと、カメラが"合図"と判定し、セルフタイマーをスタートさせるのだ。
また、撮影後には再生アイコンが表示される。撮影時と同じくこのアイコンに触るように手を伸ばすと、撮影した写真が再生され、写り具合を確認できるのだ。もし気に入らなければ、もう一度手のひらアイコンに手を伸ばせばいい。赤ちゃんやペットを抱いたままでも操作できるし、何度も定位置とカメラの間を行ったり来たりする必要はもうない、というわけだ。と、文字で書いても今ひとつ分かりにくいので、ぜひ動画をご覧あれ。
【動画】EX-ZR1000モーションシャッター |
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