新しい世代に向けたインタフェースを - 東芝

東芝の村戸氏は「40代、50代のためではなく、新しい世代のためのインタフェースを準備し始めなければならない」と慎重に言葉を選びつつ、静かに語った。これは、同社の目指す"ダイナミックブック"(dynabookの語源になっている)の実現に向けて、これからもハードウェア・UI・ソフトウェアの革新的な技術開発を進めていく、ということを意図した言葉だった。

東芝の村戸氏(写真左)。ダイナミックブックの実現に向けて熱く語った

同社ではこの10月、コンバーチブルモデルのUltrabookを発表する予定。キーボードがディスプレイの背面に隠れる仕組みになっており、タブレットとしても使える。村戸氏は「新しいUIへの挑戦が続きます。今後の東芝に是非ご期待ください」と結んだ。(参考「CEATEC JAPAN 2012 - 東芝のPC展示は3段変形のUltrabook」)

東芝のコンバーチブルモデルは、ディスプレイの背面にキーボードが隠れる構造(写真右)。シチュエーションに合わせて、形状を変えて利用できる

ビジネスで求められるモバイル機器を追求 - パナソニック

パナソニックの原田氏によれば、タブレットユーザーの97%がタブレットとPCの2台持ちをしているが、「2台持つのは重い」「データ同期が面倒」などの不満の声が聞かれるという。パナソニックが10月に発売を予定している新製品「CF-AX2」は、そうした声に応えられるコンバーチブルPCになっている。

パナソニックの原田氏(写真左)は、Let's note第4世代にあたる「CF-AX2」をアピールした

同製品はパナソニック初となるUltrabook。ディスプレイとキーボードをつなぐヒンジの部分が360度回転し、ノートPCとしてもタブレットとしても利用できる。原田氏は「軽量、長時間、頑丈、高性能と、Let's noteの特長をそのまま引き継ぐハイブリッドモバイル」と紹介した。パナソニックでは、セキュリティ対策、高性能・長時間駆動、屋外視認性など「モバイル機器がビジネス使用時に求められること」を今後も追求して、製品開発に活かしていく考えだ。(参考「CEATEC JAPAN 2012 - スマート家電で次世代の生活像を提案するパナソニック」)

キーボード部分をディスプレイ背面に回せばタブレットに

第4世代のLet's noteで、さらに使いやすいモバイル機器を目指していく

生活の手助けをする情報化社会の実現を - 富士通

富士通では、ICT(情報通信技術)を通じて人に豊かな未来を提供することを目指している。齋藤氏は「ICTは進化すればするほど人の役に立つ一方で、人の目からは目立たない存在になる。そうした社会の実現に向けて、まだまだやれることがたくさんある」と語る。では、ICTをデバイスに落とし込んだとき、どのような形態になるか。齋藤氏はいくつか具体例を上げて、未来のビジョンを述べた。

富士通の齋藤氏(写真左)は、同社が掲げる「ヒューマンセントリックインテリジェントソサエティ」の実現に向けて説明

その1つは、テレビや鏡、壁といった目に付くすべてのものがディスプレイとなり、情報を表示するというスタイル。これにより体調や天候などがいつでも確認できるとする。また、同社が2012年5月に行ったPCのデザインコンペ「デザインアワード2011」のグランプリ受賞作品も紹介した。杖型のコンピューティングデバイス「The Aid」では、脈拍などを絶えず測れるほか、GPSナビゲーションにも対応する。富士通では、今後もPCやモバイル機器を介して、人の暮らしに役立つ取り組みを進めていく。(参考「CEATEC JAPAN 2012 - 富士通、視線でPCを操作するデスクトップPCやWin8モデルを展示」)

ユーザーの日常に自然に溶け込み、生活の手助けをする情報化社会の実現を目指す

生活スタイルとともに変わるUIとサービス - 日本マイクロソフト

日本マイクロソフトの香山氏

日本マイクロソフトの香山氏は「将来的に、いつでもどこでも誰にでも使いやすいインタフェースがますます必要となってくる」と話す。同社ではこれまで、人々の生活環境の変化に伴いサービスを進化させてきた。今後もそうした方針に変わりはないとのこと。

「例えばレストランを探すとき、店舗のホームページを表示するだけではもの足りない。マイクロソフトが提供する検索サービスBingでは、写真、地図情報、SNSに上がっている口コミ情報などを、一度に見せられる機能への進化が求められている。また、Skypeサービスは将来、間違いなく企業間のインフラとして成長していくだろう」との考えを示した。

香山氏は「満を持して10月26日にリリースするWindows 8。タッチに最適化されたUIが最大の特長で、今後の10年を担う製品となる。メーカーの皆さまと力を合わせて、PC業界を盛り上げていきたい」と意欲を見せた。(参考「Windows 8 最新記事まとめ」)

人々の生活スタイルに合わせて、マイクロソフトの提供するサービスも進化を遂げていく

プレゼンテーションのスライドショーはこちらから →