それでも、実際の動作は他のTegra 3搭載タブレットと比較しても全く遜色がないほど快適だ。ホーム画面の切り替えや、ブラウザのスクロール、拡大・縮小など、非常に気持ちよく動作する。Nexus 7はGoogleのリファレンスタブレットという位置付けもあり、メーカーによる独自機能の搭載といったカスタマイズが一切施されていないということもあるが、とにかく使っていて一切ストレスを感じない点は非常に大きな魅力と言える。
ただし、機能面を見ると、かなり割り切っているなという印象を受ける部分もある。接続端子はmicroUSB端子とヘッドホン出力のみで、映像出力端子はない。Micro SDカードスロットもないのでストレージの増設は不可能。また、カメラは液晶画面側のみで、背面には搭載されず、標準ではカメラアプリも非搭載となっている。別途カメラアプリをインストールすれば、液晶面のカメラを利用した写真撮影も可能だが、解像度は120万画素と低く、基本的にはAndroid 4.0から搭載されている「フェイスアンロック」(顔認証機能)用と考えるべきだ。こういった部分は、安価な価格を考えると仕方がないだろう。
とはいえ、Androidタブレットとして必要となる機能はしっかり盛り込まれている。無線機能はIEEE 802.11 b/g/nとBluetoothは3.0+EDR、近距離無線通信規格「NFC」を標準搭載。3G機能は非搭載だが、テザリング対応のスマートフォンが普及している現在では、3G機能非搭載でも大きな問題はない。センサー類も、GPS、電子コンパス、光センサー、加速度センサー、ジャイロスコープ、磁気センサーと豊富に搭載。一部機能面での割り切りは必要だが、価格を考えると納得できる範囲内であり、トータルでの不満は少ない。
底面にはmicroUSBコネクタとヘッドホン端子を備える。microUSB端子は、内蔵バッテリの充電や、PCと接続してデータの送受信が行える |
左側面には、専用クレードル用の端子がある。専用クレードルは今後発売が予定されている |
右側面には、電源ボタンとボリューム調節ボタンを配置。用意されている物理ボタンはこれだけだ |
液晶面には120万画素のカメラを搭載。ただしカメラアプリは搭載されず、基本的にはフェイスアンロック(顔認証機能)用として利用するためのものとなる。もちろん、別途カメラアプリをインストールすれば、写真の撮影も可能だ |
パッケージには充電用のACアダプタとmicroUSBケーブルが付属する |
充電は、microUSBケーブルでNexus 7とACアダプタを接続して行う。また、PCなどのUSBコネクタ経由での充電も可能だ |
日本初のAndroid 4.1搭載端末
Nexus 7は、OSにAndroid 4.1(Jelly Bean)を搭載している。日本で販売されるAndroid端末として、Android 4.1を採用する製品はこのNexus 7が初だ。
Android 4.1は、Nexus 7が発表された6月のGoogle I/Oで同時に発表された、Android OSの最新バージョンだ。ユーザーインターフェイスはAndroid 4.0からほとんど変わっていないが、その中身はかなり進化している。
まず、画面のリフレッシュレートを60fpsに高めるとともに、グラフィックスパイプラインのバッファを増やし、トリプルバッファリングに対応させることで、なめらかな画面描画を可能としている。また、タッチ操作の予測機能も盛り込まれ、指に吸い付くような感覚でタッチ操作が行える。Nexus 7がヌルヌル、サクサクと動作するように感じるのは、この進化によるものでもある。
機能面では、「Google Now」という新機能が大きな魅力だ。Google Nowは、カレンダーや現在地の情報などから、現在地から次の予定の場所や自宅への経路、近くの駅の時刻表、現在地の天気予報、周辺のお店情報などを自動的に表示する機能で、ロック画面から上へのスワイプや、ホームボタンから上へのスワイプで起動する。これから調べたいと思う情報を先回りして表示してくれるため、かなり重宝する機能だ。日本では、お店情報など、まだ登録されている情報が少ない印象もあるが、今後Android 4.1搭載端末が増えるにつれて充実していくだろう。
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