ライバルはKindle、「Nexus 7」はGoogle Playのためのタブレット

米Googleは27日(米国時間)にGoogle I/Oで2つのNexusデバイスを発表した。7インチ・タブレットの「Nexus 7」とストリーミングメディアプレイヤーの「Nexus Q」だ。これまで同社は「最高のGoogle体験」を提供するAndroidデバイスとして、Nexusシリーズのスマートフォンを用意してきた。Google体験とは、Google検索やGoogleマップ、YouTubeなどを指す。Nexus 7とNexus Qでは新たな領域に踏み込んで「Google Playから得られる素晴らしいコンテンツを存分に楽しめるように設計した」と製品マネージメント担当ディレクターであるHugo Barra氏は説明する。

Nexus 7とNexus Qはどちらも、GoogleのクラウドベースのコンテンツサービスGoogle Playのために作られたGoogleデバイスなのだ。

Nexus 7のディスプレイは7型(1280×800ドット)のIPSスクリーンで、プロセッサはクアッドCPUコアに12基のGPUコアを統合したTegra 3だ。内蔵バッテリーは4325mAhで、最長9時間のHDビデオ再生が可能だという。優れたメディア再生機能を備える一方で、カメラは前面カメラ(120万ピクセル)のみである。それはNexus 7がGoogle Playの各種コンテンツを消費するためのタブレットだからだ。価格は8GBモデルで199USドル(約15800円)に抑えられている。これは低価格でデバイスを提供し、コンテンツ販売で利益を得るAmazon.comのKindleの戦略を彷彿させるものだ。米国のGoogle PlayでNexus 7を予約すると、最後に「Googleアカウントへのリンク」というオプションが現れる。選択すると、購入者が初めて電源をオンにした時にGoogleが購入者の名前とGoogleアカウントのユーザーネームをデバイスに送信し、パスワードを入力するだけでセットアップを完了できるようになる。AmazonのKindleもAmazonアカウントが設定された状態で出荷され、開封後すぐに使い始められる。こうした購入・セットアップ体験からも、GoogleがAmazonを意識していることが伝わってくる。

初日キーノートでは、Google Playの雑誌アプリやTV・映画アプリのデモに長い時間が費やされた。またNexusシリーズのスマートフォンと同様に、Nexus 7もGoogleのアプリを使用するのに最適なデバイスであり、Nexus 7はChromeが初めて標準ブラウザとして搭載されるAndroidデバイスになる。

Nexus Qは25ワットのアンプを内蔵しており、スピーカーやAVレシーバー、HDTVに接続して使用する。有線・無線ネットワークを通じてインターネットに接続し、Google Play(クラウド)内のビデオと音楽をストリーミング再生する。セットアップやコントロールはAndroidスマートフォンやAndroidタブレットから行う。

ホームネットワーク内に複数のNexus Qがあれば、複数で再生することが可能。逆に1つのNexus Qを複数の人、複数のGoogleアカウントで共有することもできる。再生コンテンツの情報は、別の人のAndroid端末にも現れ、再生をコントロールし合える。Google Play内のコンテンツをたくさんの人で楽しめ、またレコードやCDを持ち寄って再生し合うような楽しみ方もできることから、同社はNexus Qを"ソーシャル"ストリーミングメディアプレイヤーと呼んでいる。