国内最大規模のIT・エレクトロニクスの総合展「CEATEC JAPAN 2012」が開幕した。本レポートでは、周辺機器メーカーの展示をいくつかピックアップして紹介していこう。

TDK

TDKの展示ブース

TDKのブースでは、Thunderboltケーブルを光ケーブル化した「Thunderbolt AOC」と、MSA規格のQSFPコネクタを光ケーブル化した「QSFP+AOC」を展示。

「Thunderbolt AOC」はThunderbolt規格に準拠した10Gps×2レーンの構成で、理論値で最大20Gbps(双方向)の通信速度。光ファイバーケーブルを採用することで、50m以上の長距離でも伝送できることが特徴だ。通常のThunderbolt対応ケーブルは約2m長で、ブース担当者によると、銅線を用いるため3m以上でのデータ伝送が難しいという。

デモでは、約60m長の「Thunderbolt AOC」を2,560×1,440ドット液晶のiMacにつなぎ、高解像度の映像を再生させていた。

右下の写真で、右側のPCが「Thunderbolt AOC」を使用したもの。左側のPCは比較用に1Gbps対応の有線LANケーブルを使っている。「Thunderbolt AOC」には、2.6Gbs(1Gps=1,000Mbpsとして2,600Mbps)の映像など15Gbs程度のデータを流しており、スムーズに再生されていた。1Gps対応の有線LANケーブルには2.6Gbsの映像を圧縮した映像のみを流していたが、コマ落ちが見られた。

画面に表示されているデータ転送速度は、「Thunderbolt AOC」を使ったPCが15342.5Mbps、1Gbps対応の有線LANケーブルを使用したPCが618.1Mbpsを示している。

上がThunderboltケーブルを光ケーブル化した「Thunderbolt AOC」。下がQSFPコネクタを光ケーブル化した「QSFP+AOC」

右側のPCが「Thunderbolt AOC」を使用したもの。左側のPCは比較用に1Gbps対応のLANケーブルを使っている

「Thunderbolt AOC」のコネクタ形状はMini Display Portで、ケーブル長は2~50m。ケーブル径は3.1mmで柔らかく、取り回しが良さそうだ。2012年度内の商品化を目指すという。価格は未定。

「Thunderbolt AOC」が接続されている

「Thunderbolt AOC」と「QSFP+AOC」の仕様詳細


加賀ハイテック

加賀ハイテックの展示ブース

加賀ハイテックでは、j5create製のノートPCドッキングステーション「JUD500」「JUD320 V」「JUD200」などを展示。

ノートPCとUSB 2.0で接続し、モデルにより異なるが、新製品「JUD500」ではUSB 3.0が2基、HDMI端子、D-Sub端子、3.5mmミニジャック、スピーカー、USB2.0、有線LAN端子などを搭載している。

上から順に「JUD500」「JUD320 V」「JUD200」

「JUD500」をASUSのUltrabook「Zenbook」に接続したところ

OSはWindowsとMac OS Xに対応。専用ケーブル「Wormhole Switch」でつなぐと、OSが異なっていてもファイル移動/コピーやマウス・キーボード共有が可能だ。例えばWindowsのノートPCに本機を接続し、Macbook AirをWormhole Switchでつなぐと、デュアルディスプレイのように画面上のドラッグ&ドロップ操作だけで、ファイルをWindows OSからMac OSへ移動させるといった操作が行える。発売予定は11月で、14,800円前後を想定しているという。

Macbook AirをWormhole Switchでつなぐと、Macbook Airの画面でファイルを選択して右側の「Zenbook」までドラッグするだけで、ファイルを移動できる

「JUD500」の説明。モデルにより搭載端子が異なるが、「JUD500」ではUSB 3.0やHDMI、D-Sub端子などを備え

また、同社が展開する周辺機器ブランド「TAXAN」の新製品も展示していた。例えばワイヤレスストレージ機能とモバイルルータ機能を組み合わせた「MeoBankSD」は、無線LAN経由で内部ストレージにアクセスするSD/USBメモリのシリーズで、11月に発売予定という。


プレアデスシステムズ

プレアデスシステムズの展示ブース。iPhone 5やiPad用ケースなども展示している

iPadやiPhone、Mac向け周辺機器などを取り扱うプレアデスシステムズでは、Mobee Technologyのワイヤレス充電システム最新機「The Magic Feet」を展示。アップル製のタッチ式マウス「Magic Mouse」を最大2台、キーボード「Wireless Keyboard」を最大1台、同時にワイヤレス充電(電磁誘導方式)できる。本体にはUSBポート×4基も装備。

製品には各デバイス用の専用バッテリが付属し、フル充電まで約6時間。バッテリの持続期間は約10日間となる。本体サイズは302.5×108.9×25mm、重量は約390g。

「The Magic Feet」は、「Magic Mouse」や「Wireless Keyboard」をワイヤレス充電するためのバッテリ付き専用ユニットを同梱

B to B向けのiPhoneケース"名入れ"サービスとして、3Dプリントのデモンストレーション。素材はナイロン


MVPenテクノロジーズ

MVPenテクノロジーズでは、同社製品「MVPen」シリーズのWindows 8向け試作品を展示。「MVPen」は、紙に書いたメモをデジタル化する「デジタルペン」で、専用ユニットと専用ペンがセットになっている。この技術をPCのモニタで使えるようにし、ノートPCのモニタに専用ユニットをセットすることで、タッチ非対応のPCでも専用ペンを使ってディスプレイ上でタッチ操作が可能となる。

対応OSはWindows 8で、対応モニタは15.6型まで。Windows 7からWindows 8からアップグレードし、タッチパネルを搭載しないノートPCのユーザーをターゲットとして見込む。

同社ブースの説明員によると、発売時期はWindow 8の登場時期と合わせたいとし、価格も「未定だが1万円を切る形にできれば」とのことだ。