iPodの累計販売台数は3億5000万台を突破した。しかしながら近年デジタル音楽プレイヤー市場はスマートフォンなどに浸食されており、iPodもポータブル音楽プレイヤーの役割をiPhoneやiPadに奪われようとしている。それでもAppleは今年、iPod nanoiPod touchを刷新し、iPod shuffleのカラーリングを変更した。

特別イベントのキーノートで新しいiPodファミリーを紹介したGreg Joswiak氏(iPod担当バイスプレジデント)は「Tim (CEOのTim Cook氏)が述べていたように、われわれは数を追って(iPod事業を)やっているのではありません。iPodと音楽は企業(Apple)のDNAに組み込まれているのです」と語った。

「We love music !」とGreg Joswiak氏

これまでで最も薄く軽量、それでいて最も大きなディスプレイを搭載したiPod nano

iPodチームはiPod nanoを刷新する上で「より良い音楽プレイヤーを実現するには、何が必要か?」を考え、最終的に「ナビゲーションを容易にする大きなディスプレイ」「操作しやすいコントローラ」「薄く、軽量」「最新テクノロジへの対応」などの目標を定めた。

第7世代の「iPod nano」は、これまでのnanoで最大の2.5インチ(240×432ピクセル)のディスプレイを備えながら、厚さがわずか5.4mmで、重量は31gだ。極薄ボディであっても、左側面にある音量調節/再生/停止のコントローラは親指にフィットする大きさで、操作しやすい。ディスプレイはマルチタッチ対応で、画面を見ている時はジェスチャー操作でさらに容易にコントロールできる。またnanoに初めてホームボタンを用意した。最新テクノロジに当たるのは、省電力性に優れたBluetooth 4.0だ。小さなiPod nanoが、ワイヤレスでヘッドホンやスピーカーなどと接続できるようになった。

iPod nano史上、最も薄く、最も軽量で、最も大きなディスプレイを備える第7世代iPad nano

5.4ミリの薄いボディに、大きなコントロールボタン

Bluetooth対応のサウンドシステムにワイアレスで接続

最も人気のある音楽プレイヤー/ゲーム機であるiPod touch

Joswiak氏によると、iPod touchは「最も人気のあるiPod」であり、現在「世界で最も人気のある音楽プレイヤー」である。そしてtouchはiOS世代のデジタルエンターテインメントデバイスという一面も持つ。「あまり認識されていないが、世界で最もポピュラーなゲーム機でもある」と同氏。

iPod touchは175000タイトルのゲームにアクセスでき、Game Centerが1億5000万人のゲームプレイヤーを結ぶ

第5世代の「iPod touch」は本体サイズがW58.6×D6.1×H123.4mmで重量が88gと、非常に薄く、そして軽いプレイヤーになった。4インチと大きなRetinaディスプレイを搭載し、マルチタッチで快適に操作できる。プロセッサはA5。第4世代のiPod touchとの比較で、CPU性能が最大2倍、グラフィックス性能は最大7倍も向上した。

厚さ6.1mm、重さは88g。iPod touchもこれまでで最も薄く、最も軽い

4インチのRetinaディスプレイで長いプレイリストもすばやくブラウズ

また今世代は、初めて背面側のiSightカメラを備えたiPod touchとなる。5メガピクセルの裏面照射型CMOSセンサー、5枚構成のレンズを搭載、オートフォーカス、HDR機能、顔検出、パノラマなどの機能を備える。対面カメラは1.2メガピクセルのFaceTime HDカメラだ。

iPhone 4が搭載していたのと同等のカメラだが、サファイヤクリスタルのレンズカバーやパノラマ撮影など、iPhone 5で初めて採用されたパーツや機能も含む

iPod touchで初めてiPhotoの利用が可能になる

数百人の耳の形状の解析から生まれた「EarPods」

音楽デバイス関連の話題の締めくくりとして「EarPods」の発表も行なわれた。ヘッドホンは音楽好きが最も身近に触れる音楽機器であり、音楽を楽しむ体験に大きく影響する音楽機器でもある。EarPodsは優れた音を快適に楽しめるようにデザインされたが、それは容易な作業ではなかった。人の耳の形は千差万別で、キーノートで流された動画の中でデザインチームを率いるJonathan Ive氏は、ヘッドホンのデザイン作業を「すべての人の脚にフィットする1足の靴を作るようなもの」と表現していた。

デザインチームは数百人の耳をスキャンして3Dモデルを作成し、共通のボリュームからフィット感を高める形をデザインした。ステムとヘッドホン上部に設けられたポートが低・中音をコントロールし、またこれらを通じた空気の流れがナチュラルに響く低音を作るなど、優れた音質を実現するデザインでもある。ユーザーの耳を圧迫せず、快適にフィット感で音をダイレクトに伝えるものとなっている。

万人が快適に音楽を楽しめるヘッドホンを追求した結果、独特の形状とポートを備えたヘッドホンに

EarPodsでもリモートコントロールを大きく、従来のEarphones with Remote and Micのものよりも操作しやすくした

プレゼンテーション全体の写真スライドショーはこちらから(日本国内向けイベントにて映像より撮影)→