カナダのResearch In Motion(RIM)が提供するBlackBerryスマートフォン向けアプリとして、iPhoneやAndroidで人気の無料通話・無料メールアプリの「LINE」が登場した。BlackBerry App Worldから無料でダウンロードできる。
「LINE」は、音声通話や「スタンプ」と呼ばれるさまざまなイラストを使ったチャットの送受信ができる無料のスマートフォンアプリ。iOS版、Android版、Windows Phone版がすでに公開されており、登録ユーザー数は全世界で5,500万人、日本で2,500万人を突破している。今回、同アプリのBlackBerry版LINEの提供が開始となった。ただし、BlackBerry版LINEは、提供開始時点で利用できる機能はチャットのみとなっており、音声通話は非対応。また、先ごろAndroid版やiOS版で公開された「タイムライン」にも対応していない。
BlackBerry版LINEは、初回起動時に電話番号を登録し、SMSによる認証を行えば利用可能。BlackBerryのアドレス帳データをサーバーに送信することで、知人からLINEユーザーを探すことができる。アプリ内の「友だち」リストに知人のLINEユーザーが自動で追加され、すばやくチャットを始められる仕組みだ。チャット時には、テキスト以外に写真を添付したり、LINE独自の「スタンプ」と呼ばれる絵文字風のイラストを送信することが可能。スタンプは4カテゴリーから選択して送信することができるが、有料・無料のスタンプを追加できる「スタンプショップ」には対応していない。
複数人によるグループチャットも可能で、1対1のチャットの際に[メニュー]ボタンから他のユーザーを招待することで、参加人数を増やすことができる。アプリを起動していないときでも、バックグラウンドでメッセージを受信でき、受信時にはLEDインジゲーターの発光により通知が行われる。
設定画面でメールアドレスを登録してアカウントに紐付ければ、機種変更などの際に「友だち」リストなどを簡単に移行できるほか、Windows・Macのデスクトップ版やタブレット版に同時ログインしてチャットできるようになる。
アドレス帳以外から「友だち」を追加する際には、iOS・Android版で提供されているようなQRコードの読み取りや、近くの端末同士でシェイクし合う「ふるふる」機能での連絡先交換はできず、ID検索による追加のみが可能。
さまざまな芸能人や企業による「公式アカウント」にも現在のところ対応していない。ただし、翻訳や天気予報などのbot(ボット)は利用可能で、例えば、和英翻訳は「linejpen」、天気予報は「lineotenki」でID検索することにより、botを「友だち」に追加できる。
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BlackBerry版LINEは、音声通話ができないほか、「スタンプショップ」や「タイムライン」にも対応しておらず、チャットの主要機能のみに限定されている。しかしながら、絵文字風イラストを使った1:1のチャットやグループチャットといったLINEならではのコミュニケーションは可能で、LINEがコミュニケーションのプラットフォームの一角になりつつある現在、これまで取り残されていたBlackBerryユーザーがLINEに参加できるという点で意義があると言えるだろう。