マウスコンピューターは、告知のあったとおり、さる7月28日に同社飯山工場を会場とした「2012年度 親子パソコン組み立て教室」を開催した。夏休みを利用して、親子でパソコンを組み立てたり、会場ともなっているパソコン生産工場を見学するなどし、それらを通してパソコンへの理解を深めようという試みだ。当日の教室におじゃまさせていただくことができたので、その模様をお伝えしたい。
教室は、今年で3回目の開催で、今年も前回同様に、小学6年生とその保護者のペアを対象に、日本全国から参加者を募った。会場となったのは、長野県・飯山市にあるマウスコンピューターの「飯山工場」。飯山工場そのものについては、こちらの工場見学の記事でお伝えしたこともあるが、地元密着型の運営も特徴となっている同社のパソコン生産工場だ。改めて紹介すると、飯山工場は、日本で製造し、日本人に届ける製品としてふさわしい品質の実現などを理由に、一部特殊な製品を除く、マウスコンピューター製品の生産を一手に担っている。同社ではほかに、製品サポートのコールセンターを沖縄に、修理対応などのサービスセンターを埼玉に置くなど、全てを日本国内で展開する方針をとっている。
なお、今回のパソコン組み立て教室の開催にあたっては、地元自治体の飯山市も開催を支援したそうで、当日は飯山市の副市長である月岡壽男氏、飯山市役所経済部長の稲生孝氏が挨拶に立った。月岡氏は、飯山市がスキーや温泉の名所でもある、豊富な自然にかこまれた地域でありながら、飯山工場のようなハイテク関連の拠点も存在するなど、魅力的な市であることを紹介した。同市に新幹線駅の建設計画が進んでいることにも触れ、今回教室を訪れていた親子に、是非また遊びに来てほしいと語りかけていた。
さて、今年の組み立て教室では、パソコンの中身にも触れられる貴重な機会ということで、地元だけでなく、関東や関西、さらに遠方からは沖縄から参加した親子の姿もみられた。また、これまで開催された教室と異なり、新たな試みも実施されていた。これまでの教室では、全参加者が同じスペックのパソコンを組み立てる方式をとっていたが、今回はパソコン組み立てに利用する各種パーツの選定の段階から、各参加者が自由に選べるという方式をとっている。
せっかくなので、取材がてら少し観光した際の飯山市の写真も少しだけ。味のある駅舎のJR飯山駅 |
市の中心部から車で10分も走るとこんな感じののどかな風景に。田舎育ちの筆者的には気持ちよくて少し興奮。お土産は地元産の新鮮野菜が美味しかったのでおすすめ |
BTOパソコンや自作パソコンのユーザーであれば腑に落ちる話であろう。教室開校の挨拶に立った、同社代表取締役社長の小松永門氏は、パソコンのパーツを試行錯誤しながら自分好みに選ぶという過程が、それ自体がとても楽しめる作業であると説明した。いうまでもなく、マウスコンピューターのパソコンの大きな魅力はオーダーメード、パーツレベルから選ぶことができるBTO販売の方式にある。そのBTOの魅力を、今回の組み立て教室でも体験してほしいとして、今回の新たな試みが実施されたのだそうだ。
さて、組み立てでは、前回までと同様に、飯山工場でパソコン生産に携わっている"ホンモノ"のスタッフが、生徒である参加親子1組にそれぞれ1人づつ、先生としてつき、実際の生産におけるノウハウを活かして組み立てをサポートする。今回の組み立ては、パーツの選定からスタートしているということもあり、まずは先生と一緒に、飯山工場の実際のパーツ倉庫をまわり、組み立てに利用するパーツのピッキングからスタートすることとなった。
次いで、今度はピッキングしたパーツを使って、いよいよパソコンを組み立てる。お子さんはもとより、一緒に参加した保護者も、普段はそれほど機会がないであろう、不慣れなパソコンの中身の理解と組み立てだ。しかも、すべての作業は子供が担当で、お父さんお母さんは基本的に横で見ているだけで、口出しはすれど手出しは無用という方針で行われる。そして、ドライバーを持つ手もおぼつかないといった状態からはじまった組み立て教室だが、先生のサポートもあり、どんどん学習し、吸収していく子供たちは、最後はきちんと全員が組み立て完了まで漕ぎ着けていた。
組み立てが終わった後は、OSなどソフトウェアのインストールと、そして動作チェックなどのエージングテストが、これまた飯山工場の実際の出荷製品に用いる設備を使って実施された。自らの手で作り上げた、エージングテスト中のパソコンの画面に、高速で様々なテストパターンの結果が表示されている様を、子供たちは興味深そうに観察しているようだった。それらが終了し、OSが起動、パソコンが実際に動いた時には、非常にうれしそうにパソコンを手に取る子供たちの姿が見られた。