ディスクリートGPU、内蔵SSD、バッテリをベンチマーク

さて、性能ベンチマークも少し実施しておきたい。とはいえ、Ivy Bridge自体の処理能力を計測するのはいまさら感があるので、今回は、このThinkPad T430s特有の部分のみ、重点的にチェックしておきたい。Ivy Bridgeの性能自体は、Sandy Bridgeに比べてクロック1binぶんくらいは高いと考えておけばいい。一応、以下に総合テストの代わりということでWindows エクスペリエンス インデックスを、うちCPU性能の目安ということでCINEBENCH R11.5の結果を示しておく。

Windows エクスペリエンス インデックス

CINEBENCH R11.5

グラフィックスはNVIDIA NVS 5200Mを搭載し、ちなみにこのGPUは、CUDAコア数は96基でコアクロックは625MHzというもので、情報が乏しくGeForceで言うとどのモデル相当なのかがよくわからないのだが、KeplerにしてはCUDAコア数が少ないので、Fermi世代のGeForce GT 620Mあたりがベースなのかと考えられる。テストは、まぁMVSでゲームを遊ぶのかという疑問もあるが、一応3DMark Vantageで、プロファイルから「Performance」を選んで実施してみた。スコアはGeForce GT 540MやRadeon HD 6730Mに近いもので、描画設定を制限すれば新しいめの3Dゲームもなんとかなりそうな性能ではあるが、やはりゲーム目的で期待するにはやや非力だろう。

3DMark Vantageの結果。GeForce GT 540MやRadeon HD 6730Mに近いスコア

続いては内蔵SSDの性能も確認しておく。CrystalDiskMarkを利用した。前述のとおり、SSDはMicron製のC400(128GBモデル)だ。これはSATA 6Gbps世代の高速SSDとしては名の知れたモデルであり、速度はSATA II世代の比ではない。最新のSSDだとシーケンシャルリードで500MB/秒を超えるようなものも出回っているが、今回の結果も悪いものではなく、ランダムリード/ライトもかなり速い。少なくともHDDとは比較にもならないスピードの差(ベンチ結果だけでなく体感でも段違い)があるので、余程の理由がなければ、SSD搭載モデルを検討することをおすすめする。

CrystalDiskMarkの結果。ランダムリード/ライトもかなり速い

ついでに0Fillテスト。C400のコントローラで0Fillはあまり関係ないようだ

バッテリ駆動時間はどうだろう。せっかく筆者の通常業務に投入してしまっているので、ベンチマークソフトを使って計測するのではなく、あえて"人力"で、本当の実際のユーセージに沿った駆動時間を計ってみた。電源プランはデフォルトの「バランス」にし、輝度は筆者が普段使い慣れている、明るくも暗くもない、15段階中の「10」に設定し、ACを外した状態で、延々と仕事で利用してみた。利用時間のうちわけとしては、テキストエディタが6割、写真・画像データの編集が2割、Webブラウジングが2割がだいたいのところだ。 上記のようなシチュエーションで何度か繰り返し試してみたのだが、で、どのくらいの時間持ったかというと、一番長持ちした時で4時間10分、一番短かった時でも、3時間30分程度の駆動時間だった。同じように実務で使っていた筆者のT410sの場合は、これが大体2時間50分~3時間40分というあたりなので、T410sではバッテリの経年劣化もあるだろうが、性能が上がっている一方、少なくとも既存モデルと同等以上のバッテリ駆動時間は確保できている。拡張ベイバッテリや大容量バッテリなどを導入すれば、丸1日モバイルできる余裕も生まれるだろう。

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