マイクロソフト 6月のセキュリティ情報

日本マイクロソフトは13日、毎月提供しているセキュリティ更新プログラム(月例パッチ)の6月分を公開した。7件の脆弱性情報が公表されており、危険度の大きさを表す最大深刻度が最も高い「緊急」が3件、2番目の「重要」が4件となっている。すでにインターネット上での悪用が確認されている脆弱性もあり、対象となるユーザーはWindows Updateなどから早急にパッチを適用する必要がある。

リモート デスクトップの脆弱性により、リモートでコードが実行される (2685939)(MS12-036)

MS12-036は、Windowsでリモートデスクトップ機能を実現するRDP(リモートデスクトッププロトコル」に脆弱性が存在し、特別に細工された一連のパケットの処理に問題があるため、リモートでコードが実行される危険性がある。

対象となるのはWindows XP/Vista/7/Server 2003/Server 2008で、最大深刻度は「緊急」、悪用しやすさを示す悪用可能性指標は「1」となっている。

Internet Explorer 用の累積的なセキュリティ更新プログラム (2699988)(MS12-037)

MS12-037は、Internet Explorerに含まれる複数の脆弱性を解消するもので、以下の13件の脆弱性が含まれる。

  1. Center 要素のリモートでコードが実行される脆弱性
  2. HTML のサニタイズの脆弱性
  3. EUC-JP 文字エンコードの脆弱性
  4. Null バイトの情報漏えいの脆弱性
  5. 開発者ツールバーのリモートでコードが実行される脆弱性
  6. Same ID プロパティのリモートでコードが実行される脆弱性
  7. Col 要素のリモートでコードが実行される脆弱性
  8. Title 要素変更のリモートでコードが実行される脆弱性
  9. OnBeforeDeactivate イベントのリモートでコードが実行される脆弱性
  10. insertAdjacentText のリモートでコードが実行される脆弱性
  11. insertRow のリモートでコードが実行される脆弱性
  12. OnRowsInserted イベントのリモートでコードが実行される脆弱性
  13. Scrolling イベントの情報漏えいの脆弱性

このうち、「Same ID プロパティのリモートでコードが実行される脆弱性」で限定的な攻撃を確認しているほか、「Scrolling イベントの情報漏えいの脆弱性」は一般に公開されており、至急の対策が必要だろう。

対象となるのはInternet Explorer 6/7/8/9。バージョンとOSの組み合わせによって危険度は異なるが、全体として最大深刻度は「緊急」、悪用可能性指標は最大で「1」となっている。

.NET Framework の脆弱性により、リモートでコードが実行される (2706726)(MS12-038)

MS12-038は、.NET Frameworkによって関数ポインターが正しく実行されないことで、リモートでコードが実行される脆弱性が存在する。

対象となるのはWindows XP/Vista/7/Server 2008/2008 R2で、最大深刻度は「緊急」、悪用可能性指標は「1」。

最大深刻度「重要」の脆弱性

これに加えて、最大深刻度が「重要」の脆弱性が4件公開されている。公開されているのは以下の通り。

Lync の脆弱性により、リモートでコードが実行される (2707956)(MS12-039)

Microsoft Dynamics AX エンタープライズ ポータルの脆弱性により、特権が昇格される (2709100)(MS12-040)

Windows カーネルモード ドライバーの脆弱性により、特権が昇格される (2709162)(MS12-041)

Windows カーネルの脆弱性により、特権が昇格される (2711167)(MS12-042)