以上がHSPA+版Galaxy Nexusの概要と、購入にまつわるエピソード、そして同端末最大の特徴であるGoogle Walletに関するレポートだ。Google Walletについては思ったよりセットアップが容易だったことが評価ポイントだが、反面で使い方の手順が煩雑なのが気になった。まず本体ロックとアプリのロックという二重のロックを解除しなければ決済が行えないなど、日本のおサイフケータイのメリットの1つである「レジをスムーズに」という点が課題だと感じた。ただ、Android端末でもおサイフケータイのシステムは使えているわけで、これはGoogle Walletアプリの仕様の問題だと思われる。後述のようにGoogle Walletは多機能なアプリを目指しているため、セキュリティ強化を図った結果だとは思うが、実際の利用シーンを考えればまだまだ改良の余地は多いと考える。米国では気軽に目の前のカードリーダー端末を使ってユーザーが決済を行えるため、「磁気カード使ったほうが楽だった」というのでは本末転倒だ。

Google Walletはもともとコンタクトレスの決済だけでなく、各種クーポンやチケット、鍵など、財布に入れられるものであれば何でもひとまとめにしてしまうことを目指した、まさに「おサイフ(Wallet)」を目指したサービスだ。だが現時点では決済を含めどのサービスも実装が中途半端で、大きな野望の第一歩も歩み出せていない状態にあるといえる。いまところGoogle Walletそのものにはカード(プリペイドも含む)決済、クーポンの2種類の機能しか実装されておらず、今回は時間の関係もありクーポンは試せなかった。今後、米国でのライバルであるISISが今夏から本格的なサービス展開を開始するため、これに向けて決済とクーポンの両面で対応店舗や対応サービスを拡充する必要が出てくる。この分野に興味ある方々は、ぜひ継続的にウォッチしてみてほしい。

次にサンノゼでマクドナルドにチャレンジ。サンノゼ中心部ながら客層がお世辞にもよくない店舗という印象で、店員もPayPassでの支払いを行ったのを見るのは初めてだという

晴れて朝食をゲットして、そのときに送られてきたレシートがこれ

送られてきたレシートはすべて、後から一覧で確認できる。このあたりが電子レシートのありがたいところ

日本へ戻ってきてから空港の帰り道でPayPass Locatorを使ってみたところ、なんと近所で2カ所も使える場所がある。1つがロッテの本拠地であるマリンスタジアム、もう1つが東京ディズニーリゾートにあるイクスピアリだ

この日、マリンスタジアムではゲームがないため場内に入れず、代わりにイクスピアリに行ってみることにした

イクスピアリには各店舗にPayPassリーダーが設置されている。これは「イクスピアリ・カード」導入にあたって、5年ほど前に全店舗にいっせい展開された端末のようだ。驚きなのはフードコートの小さな店舗でも使える点で、今回はスーパーマーケットの成城石井で使ってみた

買い物の際に渡されたレシートとGoogle Walletでの電子レシート。それぞれの金額を比較してみると、実際の決済レートがどの程度かわかるだろう

なお、今回サンノゼでの滞在中にGoogle Walletアプリがアップデートされた。比較的アップデートが繰り返されているようで、画面レイアウトも以前のメイン画面から比べて変化している。Google Walletは決済だけでなく、「Offers」と呼ばれるクーポンなどを組み合わせられる点が特徴であり、次回以降はこのあたりも含めてトライしていきたい

(記事提供: AndroWire編集部)