失敗を繰り返しつつ複数店舗でGoogle Walletを試す

さて、セットアップした端末をもって実際にGoogle Walletを使ってみることにする。早朝なためMacy'sのような百貨店は開いておらず、手近なコンビニ等でテストしていく。まずはお腹が空いていたのでバーガーショップを選んでみた。「Jack in the Box」というバーガーチェーンだが、サンフランシスコ中心部にあるこの店舗には「PayPass」対応のクレジットカードリーダーがあり、以前からこのことを知っていたので試してみることにした。PayPassとはMasterCardが提供する非接触型決済システムの名称で、Google WalletではMasterCardとの提携によりPayPassネットワークを通しての決算が可能になっているため、ユーザーはPayPass対応店舗であればそのままNFC端末でGoogle Walletが利用できる。

さっそく意気込んでバーガーを注文し、PayPass決済を行う旨を伝えてGalaxy Nexusをリーダーへと近付ける……のだが、何も反応がない。しばらく放置していても何も起きないため、端末の操作ロックを解除してホーム画面が表示されている状態で端末を近付けると、こんどはメール受信音と同じサウンドが鳴ってGoogle Walletアプリが起動した。起動直後にPINコード入力を求められるのだが、何度入力しても再びPINコード入力画面に戻ってしまい、なかなか先に進まない。結局、数分格闘しても決済ができず、後ろに人が並び始めてしまったため、結局そのタイミングでは諦めて現金を払ってバーガーをもらった。

めげずに次の店舗にトライすべく移動を開始し、こんどは「Walgreens」というドラッグストアを選んだ。Walgreensでは店舗のカードリーダー端末の一斉入れ替えを進めており、従来の磁気ストライプ以外のクレジットカード、例えば非接触型カードや端末でも決済が行えるようになりつつある。バーガーを食べて少し喉が渇いていたため、こんどはWalgreensで飲み物を買ってみることにした。商品の会計をしようとしてレジでリーダーのアンテナ部分に端末をかざしたところ、レジの係の人は一言「あ、それまだ動いてないから」と無慈悲な返事をしてくる。結局、この場は普通に磁気カードで決済して外に出ることにした。

とにかくGoogle Walletを試したい。だが、ほかにとっさに思いつく対応店舗がないうえに、週末の早朝なのでやっていない店も多い。そこでGoogle Play (Android Market)で提供されている「PayPass Locator」というアプリを試してみることにした。これはMasterCardが提供しているAndroid向けアプリで、自分の近くや入力したZIPコード(郵便番号)周辺のPayPass対応店舗を地図上に投影してくれる。先ほどのWalgreensの近くで「Near You」を実行してみると「7-Eleven」が候補として表示されたので、徒歩5分ほどのその店舗まで移動してみた。ちなみに、この候補として表示された「7-Eleven」だが、住所が「711 Market St, San Francisco, CA」であり、わざわざ語呂合わせで店舗が設けられた場所として、一部でちょっと有名なところだ。

早朝でもレジ前に行列のできるJackやWalgreensに比べ、7-Elevenは客も少なく、ゆっくりGoogle Walletを試すことができた。とはいえ、すでにお腹がいっぱいだったので店内で買う物がない(米国の街中の7-Elevenは軽食メニュー中心で雑貨等は置いてない。郊外だと車用品や日用雑貨があるが……)。そこで無理矢理キャンディを選んでレジへ持っていき、店員に目の前のPayPassリーダーを指して、これを会計に使うことを伝えた。Jackのところで手順はおおよそつかめていたので、まずGalaxy Nexusの操作ロックを解除し、その状態で本体をPayPassリーダーに近付けると、Google Walletアプリが呼び出された。そこでいったん端末をリーダーから離し、PINコードを入力してアプリ自体のロックを解除してから再びリーダーへと端末をかざすと、音声が鳴って決済が行われたことが確認できた(POSレジのプリンターが動き出すためわかる)。同じタイミングで、Google Walletにはレシートが表示され、決済した店舗と日時、金額が表示されている。このレシートは後でいつでも確認できる。たかだか200円程度の買い物に大げさなやりとりだが、とりあえずGoogle Walletの使い方と、それが実際に有効だということが確認できた。

さっそく使ってみるべく、サンフランシスコ中心部にあるJack in the Boxというハンバーガー屋でトライ。ここは24時間営業なうえ、どの時間帯でも朝昼晩の好きなメニューを注文できて、おまけに安い。そこまでお腹は空いてなかったので、Jumbo Jackという普通のハンバーガー1品のみを注文してみた。カウンターにPayPassリーダーがあり、これで支払いを試してみようとするが、何回やってもうまく動作しない。行列の人数が増えてきたので、ここでの使用は断念した

次に少し喉が渇いたので、Walgreensというドラッグストアに出向いてマンゴースムージーを購入してみることにした。ここはつい最近リニューアルされたばかりの店舗で、POSレジのシステムも一新されて非接触カードリーダー型の端末が設置されたことを知っていたので、そこで試してみることにした。ところが端末をリーダーにかざそうとしたところ、レジ係の人が「それ動かないよ」とつれない返事。まだシステムとして動作していないようなので、この場は普通の磁気クレジットカードで支払いを行うことにした。なお米国では、このように小売店店頭の多くに磁気カードリーダーがあり、ユーザーがその場で支払いを行えるようになっている(「ATMカード」と呼ばれるDebitカードが普及していて、そのPINコードを入力させたり、クレジットカードでサインさせるのが目的)。決済金額が低ければサインの必要もなく、カード決算は非常にお手軽になっている

だんだん買いたいものがなくなってきて困ったので、Google Playで「PayPass Locator」というアプリをダウンロードして使ってみる。これはPayPass対応店舗を地図上でリストアップするもので、つまりGoogle Walletを使える店舗をリストアップできる。「Near You」で地図検索を行ってみると、近くに7-Elevenが確認できた

「711 Market St, San Francisco, CA」という狙ったような住所にある7-Elevenに到着。ここでキャンディを買ってレジで会計を行ってみる

手順はJackの店舗である程度把握していたので、まず端末本体のロックを解除してからPayPassリーダーに本体を近付けると、一瞬バイブレーションした後にGoogle Walletアプリが起動してPINコードの入力を求めてきた。PINコード入力のためにいったん本体をリーダーから離して4桁の暗証番号を入力すると、画面のようなタッチ指示が表示される。あとは本体を再びリーダーに近付けるだけだ。買い物が終わるとレシートが送られてくるが、これはあとでいつでも確認できる