数字の上ではちょっとだけど、確実に速くなった動作

電源投入から起動までの時間は0.95秒(EX-ZR200は0.98秒、以下同)、AFが0.12秒(同0.13秒)、撮影間隔が最短0.26秒(同0.27秒)、電源オフが2.4秒(同2.8秒)と、主要な動作速度が向上している。数値を見ればほんの少しだが、もともとEX-ZR200もかなり高速に動作する機種なので、そこからさらに高速化したのは大変なことだったと思う。

電源オンと連続撮影(640×480ドット、H.264のMP4形式、約3MB)。上記サムネイルをクリックすると、ダウンロード画面、または再生画面が開きます

機能的な強化点としては、まず状況シーンに応じて自動的に最適な撮影モードにする「プレミアムオートPRO」が進化した。詳細は非公開だが、内部的なシーン判定がチューニングされ、より細かい撮影シーンの判定、そして判定の精度が高くなったようだ。

プレミアムオートPROなら、逆光状態でも最適な撮影モードで撮ってくれる。これは薄曇りから太陽の光が映っているが、雲のグラデーションを残しながら、木々や影になった壁も黒くつぶれていない。この例では、露出を変えつつ複数コマを高速連写し、それらを合成して出力する「HDR(High Dynamic Range)」機能が自動的に使われている

印象的な写真が簡単に撮れるアートショット

ベストショットモード(いわゆるシーンモード)には、新たに「アートショット」というエフェクト機能が7種類追加された。LOMO(ロシアの光学機器メーカー)のカメラみたい写真が撮れる「トイカメラ」、全体を明るくぼかしたような「ソフトフォーカス」、コントラストを弱めて周辺を白っぽくした「ライトトーン」、鮮やかな「ポップ」、模型を撮ったようなジオラマ風の「ミニチュア」、さらにおなじみの「セピア」と「モノクロ」である。アートショットは、既存モデル「EX-ZR20」で実装済みだ。

トイカメラ

ソフトフォーカス

ライトトーン

ポップ

ミニチュア

セピア

モノクロ

各エフェクトには、強弱や色、効果のかけ方などの設定をそれぞれ3種類ほど用意している。ソフトフォーカスとポップ、セピア、モノクロはエフェクトをかける強さが3種類あり、トイカメラとライトトーンはエフェクトの色が3種類だ。ミニチュアはピントの合う位置が上下で3種類、さらに縦位置撮影用も3種類あるので、合計6種類の設定項目がある。モノクロは単なる強弱ではなく、コントラストを上げたときにノイズも付加することで、古いモノクロフィルムのようにザラついた趣(おもむき)ある写真となる。

また、ホワイトバランスや露出補正、フラッシュの使用/不使用なども設定できるので、撮影するときに自分のイメージを想像しやすかった。

最初の3点がトイカメラ、後半3点がモノクロ。トイカメラはレンズ性能の低いカメラを再現したもので、色味と色ノリ具合を調整できる。モノクロの設定はコントラストの強弱だが、そこに粒子の粗さを加えることで写真の印象が強くなる

次ページ:相変わらずHSナイトショットがすごい