学歴詐称が発覚して米Yahoo!のCEOを解任されたScott Thompson氏

先日、米Yahoo!のScott Thompson氏がCEO解任となったが、Forbesのコラムニストが解任されてしかるべきCEO5人を具体的に挙げている。ワースト1に指名されたのは、米MicrosoftのSteve Ballmer氏で、IT業界からは米Cisco Systems、米General Electric(GE)のCEOが挙がっている。

Yahoo!のThompson氏は2012年1月に就任したばかりだが、5月初めに学歴詐称が発覚し、投資家からの責任追求を受けての引責辞任となった。就任から4ヵ月の間、Facebook相手に起こした訴訟では見出しを飾ったものの、本業のサービスではYahoo!に画期的変化をもたらすことなく、同社を去ることになった。

このニュースを受け、ForbesのビジネスコラムニストのAdam Hartung氏はThompson氏のほかにも米国企業には解任すべきCEOがいるとして、「Oops! Five CEOs Who Should Have Already Been Fired(クビにされていておかしくない5人のCEO)」という記事を掲載した。

では早速、Hartung氏が独断と偏見で選んだ「解任されて然るべきCEO」を見てみよう。

まずは、ワースト1のMicrosoft Ballmer氏だ。非難されたのは、携帯音楽事業(「Zune」)、携帯電話/スマートフォン、タブレットなど業界としては活気ある分野の事業を伸ばせていない点だ。それだけでなく、「Dell、Hewlett-Packard、Nokiaと自分の"エコシステム"にいる企業の成長まで犠牲にした」と責められている。製品ローンチも成功せず、例えば、200人年のコストを費やしたBallmer氏の肝いりプロジェクト「Windows Vista」は失敗に終わったとしている。「Windows 7、Office 2012もコンシューマーを驚かせるような製品ではない」とHartung氏。

Bill Gates氏に代わってBallmer氏がCEOの座に就いた2000年当時、Microsoftの株価は約60ドルだったが、2002年には20ドル台に下がり、現在30ドル台で取引されている。その間、Ballmer氏はモバイル戦略に失敗し、現在でも就任当時と同じPCカンパニーだという。「今日の米国の公開企業で最悪のCEO」とHartung氏はこきおろした。

第4位のGEのCEO、Jeffrey Immelt氏についても辛口の言葉が並ぶ。電気機器からスタートしたGEはインフラやメディアと新事業に参入、多角化に成功したことで知られる。GEは新しい市場に参入し、製品革新などを通じて既存の流れを崩壊してきた。だが、GEはImmelt氏の下で新しい市場開拓をやめ、「製造と製品の企業から、金融企業に変わってしまった」とHartung氏。

GEの株価は2000年が60ドル、これが現在でもピークで、Immelt氏がCEOとなってから株価は低迷し、就任当時の3分の2程度まで下がっているという。

なお、100年以上のGEの歴史において、CEOはわずか9人だという。9人の中には、有名な前任Jack Welch氏などが名を連ねる。

CiscoのJohn Chambers氏は第5位。「成長市場にいる時は素晴らしい経営手腕を振るう」と評価するが、新しい市場でイノベーションを起こしたりすることは苦手だと見る。ルーターがどんどん売れる時代が終わり、クラウドやモバイルに主役が移りつつあるなか、「Ciscoは戦略を描けていない」とHartung氏は指摘した。