ローランドは、「Pro Light + Sound 2012」および「NAB Show 2012」にて発表された新製品を紹介する国内向けイベント「Roland Audio & Visual 新製品内覧会 2012」を、同社の東京オフィスにて開催した。本記事では、同イベントにてプレゼンテーション、ハンズオン展示が行われた注目の新製品を紹介していこう。

ハイビジョン対応ビデオワークステーション「DV-7HD」

「DV-7HD」は、ハイビジョン映像編集に必要な専用ハードウェア、編集ソフトウェア、専用コントローラーと豊富な映像/音声素材を一つに統合し、直感的な編集を可能にしたビデオ編集専用機だ。

「DV-7HD」は、映像編集用に最適化したパソコンに、あらかじめ編集ソフトウェアや素材をインストールしたターンキー・モデル

編集ソフトウェアは、映像編集機として定評のある同社のデジタル・ビデオ・ワークステーション「DV-7DL」のノウハウと、使いやすいワンウィンドウ・ユーザー・インターフェースを継承したものとなっており、リニアライブで直感的に映像編集が行える。また、ビデオ・ミキサーで切り替えるように映像編集できる「A/B ロール機能」や、XDCAMなど業務用ビデオカメラで収録したムービーファイルなどもサポートされている。さらに、音声を可視化し、特定音の抜き出しやノイズ除去・残響除去など音声のリアルタイムにコントロールを実現する先進の音声処理技術「R-MIX」機能も採用されており、手軽に映像作品のクオリティーを高めることが可能だ。

加えて、PC本体には、アナログ/デジタル映像など、さまざまな入力信号やフォーマットに対応するインターフェースを搭載。「HDMI」「i.LINK」などのフルデジタル接続をはじめ、「コンポーネント」「コンポジット」「S-ビデオ」など豊富な入力端子は、これまでの映像資産の活用にも役立ってくれる。なお、マウスでは難しい細かな編集を専用のボタンやダイアルで快適に操作できるコントローラーが付属する点や、リムーバブル・ハードディスク・ドライブによるメディアファイルの効率的な運用/管理、充実した映像/音声素材(ハイビジョン動画200クリップ以上、静止画1,000枚以上、音楽/効果音300曲以上、イラストなど340データ以上)なども、本製品の大きな魅力となっている。

ハイビジョンの各種フォーマットに対応した編集ソフトウェアがプリ・インストールされている

マルチフォーマット・ビデオ・スイッチャー「V-800HD」

「V-800HD」は、1080/60pのフルHDビデオから、最大解像度1,920x1,200ピクセルまでのパソコン映像、さらに従来のアナログ・ビデオ映像まで、合計8種類の映像を高画質でミックスできるマルチフォーマット・ビデオ・スイッチャーだ。

「V-800HD」なら、映像スタジオ、イベント、大型映像設備、マルチメディア会議室など、多彩な活用シーンに合わせて映像コンテンツを作成可能。映像に「ワイプ」や「P in P」などの演出を加えて、本機1台のみで手軽に切替/合成を行える

プロ仕様のハイビジョン・ビデオ信号をはじめ、パソコンのRGB信号や、民生用ビデオ機器で採用されるHDMI信号にも対応しており、アスペクト比の異なる映像であっても同時に取扱いおよび調節が可能となっている。さらに、入出力映像を確認しながらの確実な操作を行える「マルチビューワー」機能、複雑な設定もワンタッチで呼び出せる「メモリー機能」なども搭載する。

なお、本製品では、新開発された「4:4:4/10bit 映像処理エンジン」を採用しており、従来に比べてよりハイクオリティーな映像切替/合成を実現できる。文字などのエッジがシャープに表現できるため、近年需要が増加している大型LED ディスプレイ用の映像制作にも最適とのこと。

機能性と操作性を高め、ver.1.5へと進化した「M-480」

同社フルデジタル・ミキサーのフラッグシップモデルである「M-480」は、省スペースながらも高品位なサウンドと優れたオペレーション性能を実現したモデルとして、ライブ・コンサートをはじめ、モバイルSR、テレビ・ラジオ番組の中継収録、設備音響に至るまで、あらゆる現場で活躍している。

V-Mixerのフラッグシップ・モデル「M-480」が、Ver.1.5へとバージョンアップ

今回発表された「Ver.1.5」では、シーン・メモリーの新機能として、シーン・メモリーをリコールしたときに、一定の時間をかけて徐々にパラメーターを変化させていく「フェード機能」が追加。さらに、「CE-1」「DD-3×2」「DM-3×2」「DIST×2」といった同社BOSSブランドのエフェクトタイプの増強、DCAグループ(9~24)の追加やトークバックの際に有効な「ディマー機能」など、機能もオペレーションも、着実にパワーアップしたものへと進化した。

ユーザーからのフィードバックを積極的に取り入れ、ミキシング・コンソールとしての基本性能が徹底的に強化されている