独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)は5月7日、4月のコンピュータウイルスおよび不正アクセスの届出状況を公開した。
発表内容によると、4月に同機構が検出報告を受けたウイルスの総数は1万339個で、3月より34.7%減少した。検出数の1位は「W32/Mydoom」で5150個、2位は「W32/Netsky」で3646個、3位は「W32/Downad」で622個などとなっている。なお4月の届出件数は732件で、3月より15.5%減っている。
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4月のウイルス検出数 |
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4月のウイルス届出件数 |
4月は、ウイルスの検出数は減少したものの、感染後に別のウイルスを感染させるダウンローダー型ウイルスや、オンラインバンキングのログインパスワードを盗むBANCOSなどの不正プログラムが増加傾向となっている。
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不正プログラムの検知件数推移(2011年11月~2012年4月) |
また、4月の不正アクセス届出件数は9件で、このうち7件はすでに何らかの被害を受けていたという。被害届出の内訳では、侵入が4件、なりすましが3件となっている。侵入による被害はWebページの改ざんによるもので、4件のうち2件はウイルスをダウンロードするように改ざんされていたという。侵入の原因は、CMSの脆弱性、ネットワーク経由のブルートフォース攻撃、サーバーの設定不備がそれぞれ1件ずつで、残りは原因がわかっていない。なりすましによる被害は、オンラインサービスを勝手に利用されたものが2件、メールアカウントを悪用されてスパムメールを送信されたものが1件となっている。
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不正アクセスの届出および相談の受付状況 |