OSMU
OSMU(One Source Multi Use)は、本来1つの分野で利用していたものを多様な分野へと活用の幅を広げる、付加価値を創り出す概念である。主にコンテンツ市場で実践されている。漫画やキャラクター、アニメーションのソースを他の分野に展開し、新しい市場を作っている例は皆さんもご存知だろう。最近、韓国ではモバイルゲームが他のプラットホームに広がる事例もある。モバイル ゲームのAngry Birds(Rovio Mobile Ltd.)はゲーム市場で成功したが、シーズン毎にかわるキャラクター商品とTVや映画、アニメーションまで進出することになった。
アプリケーション開発においては、OSMUは1つのコード/プロジェクトを基盤に多様なプラットホームに配布できるアプリケーションを作ることを意味するが、似た用語であるASMD(Adaptive Source Multi Device)を意味する場合もある。ただし、ASMDは、同じコンテンツではなく、機器別特性に最適化されたコンテンツを提供するという概念だ。数人が同時に異なった環境で異なったデバイスでプレーする最近のゲームや同じスポーツ中継で、好みのアナウンサーを選択して観覧できるIPTVコンテンツが代表的な事例だ。
初期モバイル環境では、使用可能なリソースの制約により表現の限界があったのも事実で、RIA陣営が積極的に参加する領域ではなかった。初期のモバイル環境で利用することができた高品質のUIやデザインは、開発者の血と汗で作り出したものといえる。
だが、年月が経つにつれ、モバイル環境に多くの変化があった。アドビのフラッシュプレーヤーの場合、多様なモバイル環境で1つのコンテンツをPCと同じように表現できることを強調したが、ユーザーは満足せず、結局はモバイル市場での製品開発中断を宣言する結果になった。これに対してハイブリッド開発基盤の整備を進めているTOBESOFTのXPLATFORMの場合には、同じ開発環境で多様なデバイスの特性を生かした環境を短時間で開発することができる。
コンテンツ規模が小さかったり、プロセスを単純化させたりすることができる市場や用途の場合は、新規でWebサイトやアプリケーションを開発すれば事足りる。しかし、企業用アプリケーションでは状況が違う。新しくシステムを構築したり、併行使用したりするには莫大な費用がかかるうえ、既存コードを1つ1つ直接修正するのも適切な方法ではない。過去の資産を生かしつつ、効率的な改修を行うには、強力なRIAプラットホームを採用し、ユーザーの使用環境に最適化されたアプリケーションに簡単に移行できる技術を選択することが柔軟なシステムを構築できる条件であると考える。
UXPは手で触れる実体があるというよりは、それぞれのアプリケーションの機能、コンテンツなどのリソースが1つの方向性に向かって集まっているプラットフォームとして考えることができる。一方でUXPは常にユーザーや市場とともに求められるものが変化し、成長していく。処々のリソースが集約していく中で、そのUXPのユーザーの理想形は常に変化していくため、UXPは日々追及していくことも重要である。