--- 今回の新製品は、「XPS」というシリーズから登場することになりました。この「XPS」シリーズは、現在のデルにとってどのような位置付けのものなのでしょう。

小林 元々の「XPS」シリーズは、「エクストリーム」というキーワードを掲げていたことからもわかるように、ハイエンド仕様を求めているユーザーに向けて創られてきたシリーズです。「XPS 13」も含め、現在のシリーズでは、ハイエンドな仕様はそのままに、より幅広いユーザーに向け、デザイン性であったり、スリム設計であったりといった要素を取り入れていることが特徴になっています。今後は「モビリティ」というコンセプト加えて、さらに発展させていくつもりです。

--- 「XPS」のシリーズの中には、スリム化やデザイン性を強調する新ラインとして2011年にスタートした「XPS z」シリーズもありますね。「XPS 13」を「XPS z」にしなかった理由は?

小林 「XPS z」シリーズをリリースした当時は、まだパフォーマンスが中心で、スリム化にチャレンジしはじめた頃だったのですね。それに対して、今年以降、スリム化というのは、もはや標準的な仕様になってくるとと思います。わざわざ「z」つける必要もないだろうと。ですから、当然ではありますが、「XPS」でパフォーマンスの追求をあきらめたわけではないです。「Inspiron」などと比べると、スタイリッシュなデザインであるとか、スリムボディであるとか、そういった点にこだわったシリーズであるということになりますね。

--- デルの薄型ノートPCといえば、2009年にリリースされた「Adamo」というシリーズもありました。

小林 そうですね。本製品は「Adamo」シリーズや「XPS z」シリーズで培ってきた技術を、ぎっしりと詰め込んでいます。十分な堅牢性を確保していますしね。しかし、だからといって「Adamo」や「XPS z」と同じコンセプトということではありません。

--- 具体的に言うと?

小林「Adamo」シリーズはもちろん、従来までの「XPS 14z」「XPS 15z」も、その時々で最高の製品を作ってきたと自負しています。ただ、ユーザーの方がデルに期待するポイントとは、ちょっと違うものでした。ユーザーが弊社に求めるのは、まずスペック。そして価格ですね。いくら性能に優れているものでも、25万円、30万円となると、一般的なユーザーは手を出しにくい。「XPS 13」では、そういった部分もクリアできていると思っています。

「XPS 13」がその技術を受け継いだという「XPS 15z」「Adamo XPS」

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