昨年9月にBuildカンファレンスの基調講演で、MicrosoftのChris Jones氏が「Windows 8(開発コード名)」でオンラインストレージサービスSkyDriveを用いたクラウドソリューションを提供することを明らかにした。20日(米国時間)に同社のMike Torres氏とOmar Shahine氏(SkyDrive担当グループプログラムマネージャー)がBuilding Windows 8ブログで、Windows 8でのSkyDriveの統合や連係について具体的に説明している。
Windows 8向けのクラウドソリューションで、Microsoftは同期サービスMeshとSkyDriveを1つのサービスにまとめ上げて提供する。WindowsユーザーがPCに保存してきたファイルや、これまでのPCでのファイル管理方法と、クラウドをストレージとするこれからのデバイスのファイル管理を、シームレスに結びつけるクラウドソリューションになるという。具体的に、Torres氏とShahine氏は「SkyDrive Metroスタイル・アプリ」「Windows ExplorerへのSkyDrive統合」「SkyDrive.comを通じたリモートアクセス」の3つを挙げた。
SkyDrive Metroスタイル・アプリは、Windows 8でMetroを通じてSkyDriveにアクセスするためのMetroアプリだ。大きなタイルで写真やファイルが表示され、タッチ・ベースの流れるような操作ですばやく閲覧できる。Torres氏とShahine氏は「Windows 8を使って、SkyDriveをブラウズ・管理する最善の方法」と、強く勧めている。
Metro環境では、アプリ間のデータ共有の仕組みContractや、メニューシステムCharmを用いる他のアプリにもSkyDriveの機能を統合できる。例えば、File pickerとしてSkyDriveを利用できるので、デスクトップソフトでファイルを開いたり保存するように、Metroアプリから直接SkyDrive内のファイルを開き、そして保存できる。アプリ開発者が対応させれば、SkyDriveへの自動保存も可能だ。ほかにもShare Charmを通じてSkyDriveにアクセスし、例えばWindows 8のMailアプリからドキュメントや写真を共有できる。この方法なら、添付ファイルとして複数のコピーを作成したり、変更管理に苦労せずに済む。
デスクトップ環境においても、Windows ExplorerへのSkyDriveの統合により、Explorerから直接SkyDriveを管理できるようになる。開始するには、専用プログラムをPCにインストールし、SkyDriveと同期させたいフォルダを選択する。あとは通常のPC内のフォルダと同じようにSkyDriveフォルダを使用するだけで、ファイルやフォルダが自動的にSkyDriveに同期される。オフライン・アクセスも可能だ。SkyDriveにはファイルサイズなどの制限があるため、ローカルのSkyDriveフォルダ内の全てのファイルを同期できるとは限らないが、Explorer経由では最大2GBまでのファイルのアップロードが可能になる。
デスクトップ用SkyDriveはWindows 8のほか、Windows 7およびVistaもサポートする。またOfficeなどのデスクトップアプリケーションからもSkyDriveへのアクセスが可能になる。
SkyDriveとWindows 8の組み合わせでは、PCをプライベートクラウドのように用いられる。SkyDrive.comを通じて、デスクトップ用SkyDriveを備えたPCにリモート接続し、ファイルや写真、動画などにアクセスできる。リモートアクセスでPC内のファイルを“copy to SkyDrive”することも可能。SkyDriveに同期し忘れても、なおリモートPC内のファイルにアクセスできるので、Microsoft社内ではこれらを"Forgot something?"機能と呼んでいるそうだ。
Webブラウザを通じたリモートアクセスは便利な反面、深刻なデータ・情報の漏洩が起こり得る。そこでリモートPCへのアクセスについては認証を二重にした。信頼済みPC以外では、アカウントIDのほか、携帯電話またはバックアップの電子メールアドレスにMicrosoftが送るコードの入力が求められる。
以上のWindows 8向けのSkyDriveの機能は、数カ月中に試せるようになるという。