米Googleは1月5日(現地時間)、既存パートナーであるソニーに加え、新たに「Google TV」のパートナーとしてLG、Samsung、Vizioの3社が加わったことを発表した。またこれまでGoogle TV向けにSoCを提供していたIntelが同事業から撤退を表明したことを受け、チップセット供給で新たにMarvellとMediaTekの2社が加わったことも発表している。これらのベンダーから提供される第2世代Google TVの一部は、1月10日(米国時間)から米ネバダ州ラスベガスで開催されるCES 2012でお披露目されることになる。

Google TVにLGとSamsungが参入するという噂は以前より囁かれていたが、今回CES開催を目前にGoogleから正式アナウンスが行われた形だ。第1世代のGoogle TVは2010年秋にGoogle、ソニー、Intel、Logitechらの共同プロジェクトとして対応製品が市場デビューしたが、当初約束されていたOSアップデートが行われずにアプリによる拡張が行えなかったこと、またユーザーインタフェースなどの面で問題を抱えていたこともあり、販売面では苦戦が続いており、LogitechはGoogle TV事業からの事実上の撤退を表明している。だが昨今のスマートTVへの注目もあり、ソニーが事業継続を表明しているほか、すでに自社の独自技術でスマートTVを推進しているLGやSamsungもまたGoogle TVを新たなラインナップとして加えようとしている。今回発表されるのは、Google TVとしては第2世代にあたる、いわゆる「Honeycomb」をベースとしたOSだ。機能面での改良のほか、Androidアプリの実行機能を持ち、従来と比較して大きく進化している。

CESのタイミングで製品発表を行う見込みなのはソニーとLGの2社で、SamsungとVizioは提携発表のみに留まる見込みだ。これら4社の製品は2012年内の発売を目指している。なお前出のように、Intelが第1世代Google TVに提供していたSoCのCEチップは提供終了がアナウンスされており、今後はARMベースのSoCに移行していくことになるとみられる。LGはL9という独自のチップセットの採用を表明しているほか、新たにMarvellとMediaTekがパートナーに加わったことからもわかるように、残りのベンダーも何らかの形でARMベースのSoCを自社のGoogle TVに採用するものとみられる。またWall Street Journalの報道によれば、第2世代Google TVは「TV」「BDプレイヤー」「STB」など複数の形態での登場を想定しており、TVやその周辺機器の一部機能として利用できるようなものになりそうだ。このほか、第1世代Google TVで不評だったキーボード利用を前提とした複雑な操作性やフルキーボードつきのリモコンに代わり、第2世代の操作系統はよりシンプルなものになるという。

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