ネットジャパンは、HDD上のファイルや空き領域の断片化(フラグメンテーション)を解消するPowerX PerfectDisk 12 Pro(以下、PerfectDisk 12と略記)を2011年11月にリリースした。これまでも、定番のデフラグツールとして定評のあったものが、さらに進化し、より強力になった。本稿では、新機能を中心にPerfectDisk 12を見ていこう。
まずは、システム要件であるが、対応OSは以下の通り。
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- Windows 7(32ビット版および64ビット版の各エディション)
- Windows Vista(32ビット版および64ビット版の各エディション)
- Windows XP Home Edition/Professional(SP3以降)
- Windows XP Professional x64 Edition(SP2以降)
CPUやメモリなどは、これらのOSがきちんと動作する環境であれば問題ない。対応するファイルシステムは、FAT16、FAT32、exFAT、NTFSとなるが、NTFS以外はオンラインデフラグとなる。価格は、パッケージ版が6,195円、ダウンロード版が4,725円となっている。この他にも複数ライセンス版なども用意されている。詳細は、ネットジャパンのWebページを参照してほしい。
PowerX PerfectDisk 12 Proの新機能
まずは、注目の新機能であるが、項目別に見ていこう。
StealPatrol(自動デフラグ)機能の強化
まずは、OptiWriteである。これは、ファイルの断片化が発生しないように、連続した空き領域を検出してファイル書き込みを行うものである。ファイルの断片化は、PCを使用していく限り避けられないものだ。何よりも、断片化してしまったHDDをデフラグするよりも、断片化しないようにするほうが効率的である。そして、断片化の割合が下がれば、デフラグ作業にかかる時間も少なくてすむ。今回のバージョンアップで、もっとも注目される新機能だ(詳細は後述する)。そして、自動デフラグの設定である。デフラグが始まるとPCの負荷はかなり高まる。
やはり、普段の利用に支障があってはならない。PerfectDisk 12では、アイドル時やスクリーンセーバー実行時などにデフラグを自動的に行うように設定できる。また、逆に、時間帯によって自動デフラグを抑止することもできる。この時間はPCを必ず使用しているといった場合には、設定しておくとよいであろう。OptiWriteと自動デフラグの併用で、普段、デフラグを意識することなく、HDDが最適化される。これらの設定は、StealPatrolタブで行う。
デフラグ機能の強化
PerfectDisk 12では、デフラグに関する機能が強化され、ドライブ分析とデフラグの実行がより高速化した。具体例をあげると、
- SSDに特化したデフラグ方法の追加
- ファイルのデフラグ機能の高速化
- 統計情報の強化
- デフラグエンジンの改良(RAMを効率的に利用)
- オフラインデフラグのドライバ互換性の向上
などである。これらの大容量化するHDDに対し、デフラグ作業がより短時間で終わるようになる。
また、普及が拡大するSSDへの対応も見逃せない。SSDなどでは、分散してデータを書き込むようになっている。断片化を促進させているようなものだ。そこで、PerfectDisk 12では、ファイルの断片化は解消させず、空き領域を集中的に結合して最大化させる。これにより、書き込みパフォーマンスが向上する。断片化を解消しないことで、SSDへの書き込みも減らすことになる。分析結果などもグラフィカルな表示でわかりやすい。
ドライブマップでは、断片化率の高いファイルの一覧がサイドに表示されるようになった。
スケジュール機能の強化
スケジュール機能が強化され、より柔軟なデフラグタスクの設定が可能となった。これらは、スケジューリングタブで行う。
カレンダー形式になっており、いつデフラグを行うかが一目でわかる。さらに、設定の変更も簡単に行うことができる。また、デフラグの実行前後に指定したスクリプトを実行できるようになった。
ユーティリティ機能の強化
PerfectDisk 12では、ドライブの断片化状態(ファイル、空き領域、MFT、メタデータなど)や、最後のデフラグからの経過日数などがしきい値を超えた場合に、アラートを表示する機能が追加された。このために、ダッシュボードタブが新たに追加された。