本機はドライバレスでケースを開けられる。側板を取り外してまず目に入ってきたのはCOOLER MASTER製のCPUクーラーだ。おそらく、幅98mmの同機の筐体に収まるCPUクーラーとしては、最大級といえるだろう。TDPの低いCore i7-2600SやCore i5-2400SにこのCPUクーラーはオーバースペックにも思えるが、低回転で効率よく冷却することで静音性を高めるためと考えればうなずける。実際、本体を起動してみても、動作音はかなり静かだった。ただしこのクーラーについては、仕様として公表されているものではないため、状況により他のパーツに切り替えとなる可能性もある点にはご注意いただきたい。とはいえその場合でも、採用されるのは所定の品質基準を満たすものになるはずだ。

試用機に装着されていたCPUクーラーは、リファレンスのものではなく、COOLER MASTER製のもの。マザーボードの裏側のリテンションに取り付けるタイプのクーラーだ

また、目立たないが、底面にも小径のケースファンが取り付けられていた。これは内蔵ベイの直下に配置されており、HDDまわりの熱を拡散するものだと思われる。さらに上部と左側面にエアインテークが設けられており、クーリングにかなり配慮した設計なのが見て取れる。

底面に取り付けられたケースファン。CPUクーラーと電源用ファン、そしてこのケースファンと都合3基のファンを搭載する

上部に設けられたエアインテークと左サイドに設けられたパッシブダクト。パッシブダクトは広めの設計になっている

スリムタワー型ながら拡張性にある程度余裕がある。なかでもメモリスロットを4基備えている点に注目したい。カスタマイズメニューでは4GBモジュール×2の最大8GBまでとなるが、2基のメモリスロットが残っており増設が可能だ。64bitのOSによる広いメモリ領域を利用したいのなら、増設してもよいだろう。

拡張スロットはPCI Express x16×1、PCI Express x1×2という構成。試用機では、後者はオプションのUSB 3.0拡張ボードで使用済みとなっていた。PCI Express x16スロットが空いているので、ロープロファイルとなるがグラフィックボードの増設が可能。実際にカスタマイズメニューで3D対応の構成をオーダーすると、NVIDA GeForce GT435Mのロープロファイルボードが搭載される。

内部の様子。光ドライブで隠れてしまっているが、メモリスロットは4基用意されている

オプションとして用意される、USB 3.0の拡張ボード。コントローラチップはルネサス エレクトロニクス製、つまり旧NECエレクトロニクスのチップを採用している。これもCPUクーラー同様、パーツ変更の可能性はある

次のページ:まとめ――ハイスペックな構成を選べるのが支持される理由