--- オープニングセッションでの聴衆の反応はいかがでしたか。

エプリング たいへんよかったと思います。これまでの中で、お客様が最もひきこまれていたように見受けられました。

--- 今年が3回目となるFileMakerカンファレンスですが、今年の重点テーマをあらためてお聞かせください。

エプリング iOSによって、市場にさまざまな大きな変化が生まれているということです。これからもiOSが与える影響は大きいと考えています。

--- 昨年のカンファレンスのときもマイナビニュースのインタビューに応じていただき、日本市場が好調とのお話がありました。その後の1年間ではいかがでしょうか。東日本大震災の影響はありましたか。

エプリング 昨年と同様に、日本市場は米国に次いで2番目、売上全体の1/4の規模という状況です。震災の影響もありませんでした。日本が、好調で重要な市場であることに変わりはありません。したがって私たちは、日本市場にはとても力を入れています。

--- 具体的にはどのような取り組みを?

エプリング 日本に新しい営業チームを設けて、お客様に積極的に働きかけています。強力なチームですよ。また、FileMaker Technical Networkを無料化すると同時に日本語化しましたし、FileMaker Training Seriesもローカライズしています。アップルの、特に直営店のApple Storeとは密に連携して、ユーザの方々に直接働きかけています。

カンファレンスのオープニングセッションで、FileMaker Technical Networkの日本語化が発表された。これに合わせ、2012年1月31日までの期間限定オファーとして、通常9,000円のFileMaker Training Seriesを900円でダウンロードできる

--- 昨年のカンファレンスはFileMaker Goの登場からおよそ3か月という時期であり、このカンファレンスが日本語版のお披露目となりました。好調なスタートを切ったとのことでしたが、この1年ではいかがですか。

エプリング 順調です。iOSデバイスの市場は拡大を続け、すでに2億5千万台の実績があります。これは私たちにとって大きな販売機会です。FileMaker Goの登場直後は、すでにFileMakerを使っていた方々がまず試してみる時期でした。その後、2つのことが起きました。ひとつは、試した方々が生産性の向上を実感し、さらに購入して使用範囲を広げていくということ。もうひとつは、FileMakerを使ったことがない方々が、iOS用のFileMaker Goがあるからこそ、導入を始めるということです。このようにしてマーケットが広がっています。

--- すると、FileMaker Goの販売が、FileMakerファミリー全体の需要を喚起しているということでしょうか。

エプリング そうです。FileMaker Goの登場が、FileMaker Proにも好影響を及ぼしています。

--- その好調ぶりは、予想通りでしたか、それとも予想を上回る勢いですか?

エプリング 予想を上回っています。ヨーロッパの銀行危機、日本の震災など厳しい環境ではありますが、計画よりも多い売上を達成しています。製品の評判についてもそうです。私たちはFileMaker Goが大好きなので皆さんにも気に入ってほしいと思っていましたが、メディアの評価も、App Storeでのお客様からの評価も高く、期待以上でした。

--- FileMaker GoでAndroidに対応する計画はあるのでしょうか。

エプリング 現時点では計画していません。お客様は特定の問題を解決するために、モバイルデータベースの導入を求めます。iOSデバイスはタブレット市場での事実上の標準となっており、私たちがお客様の問題を解決するにはiOSに注力すべきと考えています。