--- この好調の背景をどのように分析していますか?
ルケイツ FileMakerが常に目指しているのは、自分自身の問題を解決できるということです。FileMaker Goはまさに、固有の問題を解決するツールと言えるでしょう。
お客様は特定の問題を解決するためにiOSデバイスを導入するわけですが、ビジネスデータを容易に扱う方法はそれほど多くありません。こうした状況でFileMakerには明らかな優位性があると自負しています。現場の問題を解決する、生産性を上げる、ワークフローを改善するという点で、FileMakerには強みがあります。Windows環境やSQLなどとの連携を強化していることも、企業にとっては魅力あるポイントです。
--- FileMaker Goのソリューションは大きく分けて、FileMakerファミリーだけで構成するものと、さらにSQLなどの業務データベースとも連携させるものがあります。現状では、どのような使い方が多いと見ていますか。
ルケイツ やはり、すでにFileMakerを使っていた方々はFileMaker Goを導入しやすい環境ですから、FileMakerファミリーで構築したソリューションの方が広がりは速いですね。しかし業務データベースとの連携も出てきています。たとえば米国のAustin Convention Centerで導入されたソリューションは、SQLと連携しています。短期間で開発でき、現場で使うスタッフからも好評です。業務が大幅に改善され、200%という高い投資収益率を達成しています。
--- インターネット越しのデータベース活用に不安があるとか、モバイル環境では常にネットワークに接続できるわけではないといった懸念を持つユーザーもいると思いますが。
ルケイツ インターネット共有についてはホスティングプロバイダなどもありますし、データベースをオフラインで使用し同期をとるなどの方法を開発しているデベロッパもあります。データの共有や同期に限らず、今回のカンファレンスでも見られるように多くのデベロッパがさまざまなソリューションを開発し、紹介していますね。
--- FileMaker GoのiPhone版とiPad版は、どちらが多く売れているのですか?
エプリング 発売当初は同じぐらいでしたが、徐々にiPad版が増えてきました。
--- iPadの方が画面が大きくてデータベースに向いているということでしょうか。
ルケイツ 多くのお客様が業務の問題を解決するために選んでいるからでしょう。iPhoneは、よりパーソナルなツールですから。ただ、画面が小さいといっても、私はiPhone用のデータベースレイアウトを作るのが好きですよ。
--- せっかくの機会ですので、小さい画面でも使いやすいデータベースのコツを教えてください。
ルケイツ 必要な情報をすぐ使うために、レスポンスのよさが重要です。まずシンプルなリスト表示があって、タップして詳細画面へ。ボタンをタップするとポップアップウインドウのように詳しい情報が表示される。このように、ワークフローを考えたシンプルなナビゲーションにすることです。最低限の情報を表示し、グラフィックも少なくします。ピンチオープンで拡大する必要がなく、スクロールで直感的に使えるレイアウトがよいと考えています。
--- 最後に、FileMaker Goによるモバイルでのデータベース活用をまだ導入していないユーザに、メッセージをお願いします。
エプリング iOSデバイスを使えばきっと好きになりますし、そのデバイス上でFileMakerの美しいデータベースが使えるのは素晴らしいと感じられるはずです。とにかく始めてみてください、ビューティフルな体験が得られるでしょう。美しくわくわくするようなデータベースソリューションを短期間で作り、モバイルで活用できるプラットフォームです。企業の意思決定の立場にいる方に申し上げたいのは、導入によって生産性が大幅に向上するということです。競合他社が始める前に導入することをお勧めしますよ(笑)。