機動力を発揮するための多彩な工夫

スタンダードサイズながら単に薄い・軽いだけではない。モバイル機として役立つ機能、工夫が随所に施されている。まずはモバイルマシンでは命綱となるバッテリ駆動時間についてだが、一般的にスタンダードサイズのノートは軽視されがちで、JEITA測定法でだいたい2~3時間というのが相場だ。しかし、VAIO SEでは約6.5時間のバッテリ駆動時間となっている(JEITA測定法)。これは、モバイルマシンとして及第点といえる仕様だ。また、便利だと感じたのが急速バッテリ充電が可能なこと。1.5時間ほど充電すると80%程度までバッテリ残量が回復し、約5.2時間使用できる。さらに電源オフ時の放電量を低減し、約3.8カ月もバッテリの電力を保持するという。いざパソコンを利用しようとした際に、バッテリ残量がなく起動しないとイラッっとすることがあるが、そうした不愉快も遠ざかりそうだ。

バッテリは薄型のリチウムポリマーとなっている。メモリは4GBのSO-DIMMモジュール1枚となっており、8GBに増設しやすい。HDDは750GBが標準だが、VAIOオーナーメードでは1TBのSSDをチョイスできる

フルHD液晶ディスプレイで快適に作業

VAIO SEシリーズには、純粋なモバイルノートに比べ圧倒的に有利な点がある。それは、15.5型ワイド液晶が1,920×1,080ドットのフルHD仕様になっている点だ。一部のモバイル機は直販のカスタマイズでフルHD液晶を選べるが、ほとんどのマシンは1,366×768ドットを超える解像度は用意されていない。だが同機は標準でフルHD仕様となる。これは1,366×768ドットの約2倍の情報表示量となり、広いデスクトップで作業が可能となる。エクセルなどの表計算ソフトを使った際により多くのセルが表示でき、作業効率が高まるのだ。

そのほかにも照度センサーにより、暗闇でキーボードライトが点灯したり、最速約15秒でWindows 7が起動するQuick Bootに対応したりと便利な機能が多い。用途に応じて内蔵グラフィックと外部グラフィックを切り替えられる、VAIO S譲りの機能も備えている。

キーボードはソニー十八番のアイソレーションタイプ。4配列の10キーが備えられ、数値入力に有利

照度センサーにより周囲の明るさを検知。暗くなるとキーボードのバックライトが光る。プロジェクターによるプレゼン中や機内でも入力しやすい

液晶ディスプレイのサイズ的には、スタンダードなホームノートという位置づけだが、明らかにそうしたメインストリームのマシンとは性格が異なる。ホームノートとして利用できるのは当然だが、ビジネスシーンでも有用といえる。バッテリ駆動時間が長いので、気軽に会議や打ち合わせの席に持ち運べ、しかも各種作業が快適にこなえるパフォーマンスを持ち合わせている。機動性を生かせるシーンでこそ真価を発揮するだろう。