リサーチ・イン・モーション(RIM)は20日、NTTドコモから発表された新しいスマートフォン「BlackBerry Bold 9900」を紹介するプレス向けセミナーを開催した。RIM 東アジアリージョナルマネージングディレクターのGregory Wade氏は、同端末を「かつてない最高の機種」とアピールし、日本市場に注力していくことを強調した。
BlackBerryスマートフォンは、RIMが開発するOSと端末、そしてサービスを組み合わせた全体を1つの製品として提供されている。Wade氏は、1999年にBlackBerryブランドでの製品を展開し始めて以来、全世界に7,000万の加入者を抱えていると説明。「この成功のコアになったのは、製品とサービスの原則」と語る。
製品とサービスの原則とは、スピード・効率性・目を引くデザイン・セキュリティ・信頼性の5点で、例えばスピードは、BlackBerry MessagingやプッシュEメールのようなリアルタイムの通信機能だという。BlackBerryのWebブラウザは、BlackBerryのネットワークによって効率的にトラフィックを処理するできることで、ほかのプラットフォームのブラウザに比べて3倍の効率性を備えているという第三者機関の調査結果も出ているとのことだ。こうした特徴は、「通信事業者にとってもユーザーにとっても大きい。特に国際ローミングを考えれば有効」とWade氏は指摘する。 BlackBerryのセキュリティについては、先般の通信障害はあったものの、以前から信頼性がある。Wade氏は信頼あるテクノロジーを提供することで、日本でも企業からも評価を得ることができ「ミッションクリティカルなアプリを移行してもらえるようになっている」と主張する。
こうした原則をもとに、差別化要因としてWade氏があげるのは「コミュニティ」「選択可能性」「BlackBerryを通した体験」の3点だということで、こうした差別化要因を強化していきたい考えを示している。
その上でWade氏は「日本はスマートフォン市場でも、世界でもっともエキサイティングだと思っている」と強調。ユーザーのニーズを吸い上げながら、さらに「ユーザーになりそうな人」の必要性も探っていき、「日本市場にあったデバイスを届けていきたい」考えだ。
そうしたBlackBerryスマートフォンの最新モデルがBlackBerry Bold 9900だ。すでに米国では発売されている機種だが、日本語化などを図って、最新モデルとしてリリースされる。OSは最新のBlackBerry 7を搭載。2.8インチ640×480ドットの液晶は、新たにタッチパネルに対応。従来の光学式トラックパッドでの操作に加えて、画面に触れて操作できる。「リキッドグラフィックス技術」によりタッチパネルの反応速度を高めたとしており、OSのパフォーマンスも加えて、「滑らかでレスポンスが早く、スムーズな操作性」になっているという。従来通り、打ちやすいQWERTYフルキーボードも搭載する。
CPUの動作周波数は1.2GHz。下り最大14MbpsのHSPA+にも対応しており、通信速度や操作スピードでも高速化しているという。HD動画の撮影も可能な500万画素カメラも搭載。側面のフレームはステンレスを採用している。さらにBlackBerryスマートフォンとしては初めてNFCを内蔵。国内ではFeliCaを使ったおサイフケータイが使われているが、海外では今後NFCが主流になる見込みで、さまざまな用途で使われることが期待できる。
Webブラウザも高速化されており、「電光石火のように早い」とWade氏はアピール。Webサイトの表示速度は、前OSに比べて40%高速化し、JavaScripsのパフォーマンスも、ほかのどのプラットフォームのブラウザより高速だったという。
Blackberry Bold 9900は、国内では来年2~3月にも発売する予定。Wade氏は「日本市場は重要」と語り、今後も注力する方針。Wade氏はBlackBerry Bold 9900について「すでに数カ月使っているが、かつてない最高のBlackBerryで、究極のもの」とアピールしている。なお、18日に米国で発表された次期OSである「BBX」についてWade氏は、「発表されたばかりで、詳細は話せない」と今後の展開などについては明らかにしなかった。