安全な運用を実現するサーバー構成

Speeverのホスティングサービスは、国内に設置されたデータセンターで管理運営され、大容量の国内回線をバックボーンに快適な通信環境を実現している。さらに、着目したいのがサーバー構成だ。365日24時間、ノンストップで安定したサービスを提供するために、サーバー周りのインフラも一新した。

まず、データを保存するストレージだ。サーバー内蔵型でなく外部ストレージに変更し、ストレージトラブルによるサーバーストップを回避している。しかも、外部ストレージには、共用サーバープラン・仮想専用サーバープランともに、ネットワークRAIDを搭載したHP社のLeftHandを採用した。

複数のハードディスクを組み合わせて1台のハードディスクとして利用するRAIDは、データの高速な読み書きに加え、ハードディスクが故障した際にノンストップで運用できる技術として広く知られている。ネットワークRAIDは、ネットワークに接続した複数のストレージ(ハードディスク装置)をRAID化して1つのストレージとして利用する技術だ。

ネットワークRAIDの大きなメリットは、1つのネットワークストレージに筐体障害が発生しても、RAID化しているため他のストレージが稼働していればオンライン状態を保持できることだ。従来のRAIDでは、RAIDの筐体に障害が起きるとアウトだが、ネットワークRAIDでは複数のストレージに分散されているため安全なわけだ。さらに、それぞれのストレージ内のハードディスクにもRAID5を採用して、二重の安全性を確保している。

データ保管にはネットワークRAIDを採用

ネットワークRAIDのメリットは、障害対策だけではない。システムを止めずにディスクを追加できる拡張性も持っている。また、ストレージを追加しても、全体を1つのストレージとして扱うクラスタリングが可能なため、全体のパフォーマンスを低下させることなくストレージの容量を拡張できるのだ。また、サーバーとストレージが分離されたことで、サーバーの増設も柔軟に対応できる。システム全体が、拡張性を持っているわけだ。

さらに、障害対策として、サーバーとストレージ、接続回線をつなぐネットワークも二重化されている。万が一、ネットワーク機器による障害が起きても、通信経路を切り替えて通信でき、サービスの停止時間を最小限に抑えるように設計されているわけだ。

二重化(冗長化)のネットワーク構成

今回のインフラ再構成は、安定したサービス提供を念頭にしたものだが、仮想化のメリットもあり、リソースの利用率の向上にも結びついている。リソース利用率の向上は、言い換えればコストダウンの実現だ。じつは、今回のリニューアルによるサービス提供の低価格化は、このようなインフラが支えているのだ。

ここまで安定したサービスが提供できる仕組みを備えた上で、SLA(品質保証制度)も標準となっている。これは、サーバーの稼働率100%を保証する制度で、万が一サーバー障害などで稼働率が100%に満たなかった場合に、稼働率に応じて利用料金が返金される制度だ。

クラウドサービスも展開

かなりハードウェア寄りの機能紹介になってしまったが、サービスが一新されたSpeeverのホスティングサービスは、利用者の安全かつ安心した利用を第一に考えられていることが理解いただけただろう。

運用面でも、WordPress、MovableTypeなどのCMSツールや、EC-Cubeなどのネットショップ構築ツールのインストーラーも用意(無料)されているので、多様なWebサイト構築に利用できるはずだ。

また、これまでホスティングサービスの有償オプションだった「SEO対策ツールPlus」「Web改ざんチェックツール」「ホームページ作成ツールのComboIT」「ネットワークストレージサービス」などが、単独の有償クラウドサービスとして提供が開始された。

新たなサイト制作やレンタルサーバーの乗り換えを考えている読者は、いちど検討してみてはいかがだろうか。