VMwareの年次テクニカルカンファレンス「VMworld 2011」が8月29日(米国時間)より、ラスベガスのThe Venetian Resort Hotelでスタートした。今年のテーマは「Your Cloud.Own it」。昨年に続き、「クラウドコンピューティング」がテーマとして据えられているが、今年はどのような進化を示すのだろうか。

VMworld 2011が開催されているラスベガスのThe Venetian Resort Hotel。建物の随所に「VMworld 2011」の横断幕や看板がある

VMware 社長兼CEO Paul Maritz氏

初日のゼネラル・セッションには、社長兼CEOのPaul Maritz氏が登壇した。同氏は、「企業は現在、クライアント/サーバ時代からクラウド時代へ移行する過渡期にあり、同社はそれをサポートするための製品を提供している」と述べた。

「ITの歴史を振り返ると、過去の『メインフレーム時代』、現在の『クライアント/サーバ時代』、未来の『クラウド時代』に分けることができる。いずれの時代も、標準的なアプリケーションが変わる時にIT自体も変わってきている。クラウド時代の標準的なアプリケーションはリアルタイムかつ大規模な分析とコマースアプリケーションだ」

さらに、同氏はクラウド時代はWindowsベースのPCが少なくなり、モバイルデバイスが増えるため、アプリケーションの作り方も変わってくると訴えた。

企業のITは、メインフレーム時代からクライアント/サーバ時代にシフトし、現在はクラウド時代への移行が始まっているという

同社は企業がクラウド時代にシフトするために取り組むべき課題を「インフラ」「アプリケーション」「エンドユーザー・コンピューティング」の3つのレイヤーに分けて、製品を提供している。

同氏は、インフラ・レイヤーについては、「ハードウェアの仮想化は運用の効率化につなげる必要がある。それを実現するため、仮想化およびクラウド環境向けの運用管理ソフトウェアである『vSphere』はスイートとして提供していく」と説明した。

vSphereは7月に5.0へメジャー・バージョンアップが行われたばかりだ。同氏は、「vSphere 5.0の特徴として最もアピールしたい点はストレージ管理における自動化だ。vSphere 5.0では、データセンターのコストを上昇させているストレージを一元管理するための画面を提供している」と述べた。

今後、vSphereを構成している製品群は共通のステートメントで提供され、5.1ではすべての製品のシーケンスを揃えた形で提供される予定だという。

バージョン5.1からは製品群のシーケンスが揃った形で提供される「vSphere」

2つ目のレイヤーのアプリケーションに属する製品としては、クラウドアプリケーションプラットフォーム「vFablic」が紹介された。今日、vFablicの新製品として、「VMware vFabric Data Director」がリリースされた。

VMware vFabric Data Directorは、データベースを仮想マシン上で使う形で最適化と自動化を行い、プロビジョニングすることを可能にするツールで、データベースの作成とクローニングを簡素化する。

同製品を導入することで、開発者は自身が必要なデータベースを短時間でテンプレートとして入手することが、管理者は自社で用いるデータベースを一括して管理することが可能になる。

同製品の下で提供されるデータベースはメモリ管理など、VMwareの仮想環境で最適化された形でパッケージとして提供される。今回はPostgreが"第1弾"としてリリースされたが、サイベースの提供も予定されている。同氏はゼネラルセッション後のQ&Aセッションで、「Postgreに施した作業はユーザーコミュニティに還元している。ぜひ、データベースベンダーもそれを見てほしい」と述べた。

「VMware vFabric Data Director」が新たに加わった「vFablic」

最後のレイヤーである「エンドユーザー・コンピューティング」に関わる製品としては、仮想デスクトップ製品「VMware View」が紹介された。同製品も今回のカンファレンスの会期中にバージョン5.0がリリースされる。同氏は、同製品の特徴として、帯域幅の改善やユニファイドコミュニケーションのサポートなどを挙げた。「VMware View 5.0では、スケーラブルかつコスト効率の高いデスクトップを実現する」と同氏、

さらに、同氏は新たな発表として、「Virtual Phone」について軽く触れたが、エンドユーザーコンピューティングに関する発表は明日のゼネラルセッションで詳しく行われる予定なので、期待されたい。

先月から今回のカンファンレスにかけて、インフラ・アプリケーション・エンドユーザーコンピューティングの全レイヤーにおいて新製品のリリースが行われる