デジタルステージが開発・販売を手掛けるWeb制作ソフト「BiND for WebLiFE *」の最新バージョン「BiND for WebLiFE * 5」(以下、BiND5)が2011年9月2日に発売される。BiND5では、今年になって大きなうねりを生んでいるソーシャルメディアを飲み込み、商用サイトで活用できる機能が盛り込まれた。そんなBiND5の注目の新機能ついて、「現在、スタッフ全員で寝る間を惜しんで開発中」と語る開発プロデューサー、平野友康氏のコメントとともに紹介していこう。

Webサイトは"作る"時代から"作る+運営する"時代へ

今、Webサイト制作では"ソーシャルメディアをいかに活用できるか"が大きな課題としてあるという。とはいえ、それはWebサイト制作のプロでなければ難しい。ソーシャルメディア自体は多くの人が利用し、商用サイトや個人サイトも多く存在するが、素人がオリジナリティをアピールするには、まだ高い壁が存在するのが現状だ。それを解決する、いちばん簡単な方法は、もちろんWebサイト制作のプロにまるごと任せてしまう方法だが、"そこまで予算は掛けられない"、"できるだけ自分達の力でサイト運営をしたい"と思う人も多いだろう。そこで、「簡単な操作でソーシャルメディアをうまく活用できる機能を備えたWeb制作ソフトがあれば良い。だから、面倒くさいが簡単に。取っつきやすいソフト」という観点で開発されたのがBiND5なのだ。

新バージョンのポイントは、「作る」だけではなく「運営する」ことに開発時のウェイトが掛けられていること。外部のクラウドサービスとのコラボレーション機能も充実し、双方向でのサイト制作&更新が可能になっている。

ソーシャルメディアをもっと有効に活用したい

商用Webサイトはもちろん、個人でも切実になっている「アクセスを増やしたい」という願い。そのためにデジタルステージが考えたひとつの回答がTwitterやFacebook、mixiと連携する「ソーシャルコネクト機能」だ。

今、ソーシャルメディアを使って情報発信を行う企業は多いが、複数のメディアを使っていると、そのマネージメントも複雑になってくる。すなわち「ソーシャルマーケティング」が重要になってくるわけだ。BiND開発プロデューサーである平野友康氏は「これからは"検索されやすいサイト"を作ったり、"SEO対策"をしているだけでは不十分だ」と今後の見通しを語る。

「これだけ各種SNSが普及してくると、重要なのはリピーターをいかに増やすかということになってきます。受け身ではなく、積極的に呼び込む、口コミで広めてもらうための施策を日常的に行うことが重要です。サイトを更新したら必ずつぶやく、SNSと連動させた掲示板を設置する、アクセスログを解析して何が効果的だったかを探るなど、リピーターを増やす方法は色々ありますが、このノウハウを習得するのは大変です。そこで、BiND5ではこれらをワンタッチで可能にし、習慣化できる機能を盛り込みました。BiND5でサイトを作り、更新していけばこれらのノウハウが自然と身につき、アクセスが伸びるサイトを運営できるようになると思います」(平野氏談)

さらに、BiND5では「ソーシャルネットを思い切りやりたい」という声にも応えている。特にFacebookはユーザー数も増えて新メディアとしての魅力も高いが、素人がオリジナルのFacebookページを作ろうとするとプログラミングが必要になるなど、敷居が高い。そこでBiND5ではFacebookページを制作する「Bind for Facebook」を搭載。ユーザーが自由にFacebookページを作れるようにした。平野氏によれば「これだけでひとつのソフトとして販売できるレベル」のものが用意されているとのことで、大いに期待できる。Bind for FacebookによってBiNDの機能をフルに活用できるので、デザインのカスタマイズはもちろん、問合せフォームを設置するなどサーバーと連携する機能も容易に導入できる。Facebookを通じた情報発信、商用サイト構築や既存サイトとの連携には大きな力を発揮するだろう。

更新作業にEvernoteとDropboxを利用する

iPhoneやAndroid、iPadといった携帯電子端末が普及するにつれ、日本でも本格サービスが開始され、ユーザー数を増やしているクラウドサービス。この異なる場所での共同作業に便利なクラウドサービスをBiNDでも利用するため、EvernoteおよびDropboxと連携できる機能が搭載された。たとえばEvernoteの場合、Webページのノートを1ページずつ作って仲間とイメージや情報を共有したり、画像やテキストをEvernoteに保存しておけば素材を持ち歩かずにすむ。これはDropboxでも同様で、BiNDサイトデータの保存先としてDropboxを指定すれば、場所を問わずに作業できることがメリットだ。

「もともとBiNDは一見難しそうなWebサイト制作を簡単にしたい、という思いから個人ユーザーをメインターゲットに開発してきました。しかし現在では、仕事で使う人も増えてきています。そこで、サイトを作る/更新する上で"場所を選ばずにどこでも作れる"とか、複数でサイト運営に携わる人たちの"共同作業をサポートする"機能を加えたいと思ったんです。EvernoteもDropboxも実際に使ってみるまでは、その便利さに気付きづらいのですが、いざ使ってしまうと二度と後戻りできない便利さがあります。Webサイトにもリアルタイム性が求められるので、最新データをクラウド上に置くことでどこにいても更新できるのはかなり快適です。ひとりで作業している人にもアイデアをメモ帳のように置いておけるEvernoteとの連携は、サイト作りにとても役立つと思います」(平野氏談)

一方で、企業ユーザーの中にはBiNDを使える人だけにWebサイト制作の負担が掛かっているという現実も見えてきた。そこで、Web制作ソフトは使えなくても、WordやExcelなら得意だという人が多いことに注目し、「BiND Office Importer」機能を新たに搭載、WordやExcelのドキュメントをそのままコピーしてBiNDにペーストできるようにした。これであれば、Officeアプリケーションしか使えない人でもWeb制作に参加できるので、作業者の負担を大きく軽減することができる。こうした機能に見られるのは、複数の人たちにBiNDを利用して欲しいという思いだ。元々BiNDにはデザイン性の高いテンプレートがあり、簡単に見栄えの良いWebページを作ることができる。今回のバージョンアップでは、さらにグループワークの作業性や個人に頼らないコンテンツ更新のしくみが搭載された。これにより、より情報性と更新頻度の高いサイト作りが簡単になるだろう。

ソーシャルメディア時代に選ぶWeb制作ソフトとは?

これだけソーシャルメディアが日常的になってくると、情報発信者としては当然無視できないメディアになってくる。とはいえ、冒頭でも伝えたように規定のフォーマットから離れたデザインの追求は非常に難しい。BiND5では、元々の開発思想である『初心者でも「簡単」に「スタイリッシュ」なWebサイトを「低予算」で作れる』ことはもちろん、さらにソーシャルメディアをコミュニケーションツールとして展開できる機能が新たに搭載された。複数のメディアがあっても使いこなせなければリピーターは掴みにくい。面倒な手順やノウハウ、専門知識を必要とせずに複数メディアを使いこなすにはどうしたらよいか。BiND5の新機能は、こうした現代ならではのWeb制作の悩みに応えてくれるのではないだろうか。