米Citrix Systemsは7月12日(米国時間)、クラウド技術ベンダーのCloud.comを買収したことを発表した。これによりクラウド時代に向けた製品ポートフォリオを完成させる、と述べている。

Cloud.comは2008年設立のベンチャー企業。クラウドプロバイダ向けのインフラプラットフォームを提供しており、米Apple、米Zynga、韓KTなどを顧客に持つ。プライベートとパブリックの両クラウドインフラの構築/管理のためのプラットフォームを持ち、オンプレミスあるいはホスティングで実装できる。主力製品は、ハイパーバイザー非依存のIaaS(Infrastructure as a Service)用クラウドソフトウェアプラットフォーム「CloudStack」で、オープンソースとしても提供している。

同社買収の狙いについてCitrixは、クラウド時代に向けて仮想化、オーケストレーション、ネットワーキングソリューションを揃えると説明している。同社は仮想化プラットフォーム「XenServer」を提供しており、そのポートフォリオに対してCloudStackが新たに加わることになる。なお、CloudStackはXenServerのほかに、Linuxカーネルに組み込まれたオープンソースの「KVM」、米Microsoft「Hyper-V」、米VMware「vSphere」などもサポートするが、今後も対応を継続するとしている。

Citrixは買収金額など詳細を公開していないが、英Financial Timesでは買収金額を2億ドル~2億5000万ドルと推定している。