実は、この原稿はテスト機のPD-KB420WSを利用して入力作業を行っている(キーボードのテストなだけに"執筆している"は違和感あり)。使い始めてからすでに数時間が経過しているが、打鍵感は至ってスムーズ、かつ軽快だ。

その印象を一言でいうと「精緻」だろうか。化学樹脂製のボディから受ける外観上の印象はともかく、コツコツというよりはコトコトに近いほど打鍵音は穏やかだ。非Type-SのHHKB Professional JP(PD-KB420B)のそれと比較すると、キートップとハウジングの間に薄皮1枚挟んだかのような、とでもいうか、カーペットを若干厚めのものに貼り替えたような、とでもいうか、耳に残る刺激音がワントーン下がったように聞こえる。ふだんタイピングに集中している本人はさておき、打鍵音を気にする周囲の耳はその違いをはっきり聞き分けることだろう。

キー配列にはHappy Hacking Keyboardシリーズお約束のSun Type3、いわゆるUNIX配列を採用

PC/Macの切替は本体背面のDIPスイッチで行う。Macモード時に一部機能を利用するためには、無償配布されるドライバのインストールが必要

本体裏面にあるDIPスイッチ設定表。キーボードのモード設定や特殊キーのキーコードを変更できる

これが先着100名限定「Red Control Key」だ!

ところで、新モデルの発売にあたりPFUダイレクトでは、HHKB Professional Type-Sの購入者を対象に特製「Red Control Key」をプレゼントするキャンペーンを実施していた。そう、「実施していた」と過去完了形なのは、6月22日現在で購入者が100名を超えたためキャンペーンが終了してしまったからだ。つまり、このキーの入手はもはや困難。どのようなモノだったのか興味津々のHHKBファンに向け、かんたんに紹介しておこう。

プレゼントされるのは、赤いControlキー(刻印なし)とキートップ引きぬき工具の2点。キートップは赤……というより朱色に近い赤で、遠目にもかなり映える。素材や仕上がりはオリジナルのControlキーと変りないようだが、取り替えると全体が鮮やかになるような、花一輪が添えられたような、結果として引き締まった印象になる。今回のType-Sのボディカラーは白のみなので、毒々しさは感じられない。机の雰囲気を変えたいときに、これは"アリ"だろう。

先着100名にプレゼントされた「Red Control Key」。引き抜き工具もセットされている

キートップをすくうように金具部分を差し込み、上方へ持ち上げる形で引き抜く

Controlキーが入れ替わるだけで、キーボードが引き締まって見える。個人的には「アリ」だ

引き抜き工具もうれしい。HHKBキートップセットに付属の引き抜き工具に比べると、チープな印象は否めないが、これが意外に作業しやすいのだ。キートップをすくうように金具部分を差し込み、エイヤッと引き上げれば、あっけないほどかんたんに引きぬくことができる。

このプレゼント、キートップの底を清潔に保ちたい向きに喜ばれること確実。プレゼント再開が難しければ、せめて引き抜き工具のオプション販売を検討していただきたいのだが……PFUさん、いかがでしょう?

■主な仕様
製品名 Happy Hacking Keyboard Professional JP Type-S
(日本語配列モデル かな無刻印)
型名 PD-KB420WS
キー数 JIS配列69キー
キー仕様 静電容量無接点方式、押下圧45g、3.8mmストローク、シリンドリカルステップスカルプチャ、キーピッチ19.05mm
インタフェース USB
接続ケーブル 着脱式(ケーブル長1.8m)、キーボードに添付
サイズ/重量 W294×D110×H40mm/520g
対応機種 USBポート付PC、Mac OS Xで使用の場合無償配布のドライバが必要
直販価格 29,800円