AntecのPCケースで、数年前に人気となった「P180」(当時の発表記事はこちら)を覚えておられる読者の方も多いだろう。今回のCOMPUTEXで、その後継モデルに当たる「P280」を発見できた。
まだ試作モックアップということで、製品版では少し変更があるものと思われるが、外観はP180のイメージを継承し、ヘアライン処理が施されたアルミパネルが特徴。展示の試作機のパネルカラーはシルバーだったが、ブラックモデルの検討もされているとのことだ。内部のフレームは鉄製で、厚み十分で静音シートも貼られた側板など、相変わらずしっかりとしたつくりという印象。新モデルということで、フロントI/OのUSB 3.0への対応や、大型ファンの追加などによるエアフローの見直し、同社が得意とする使い勝手を高める各種ギミックの装備など、P180からパワーアップした部分が多かった。
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写真の真ん中あたりにあるのは、ペリフェラル入力の電源ピン振り分け基板で、多数のファンを内蔵することを想定したもの |
これは底面のファン設置スペースの防塵フィルタ。ケースを開けなくても掃除できる構造になっている |
さてP280、実は一番驚きなのがその価格で、これがなんと現時点では139ドルを想定しているとのことだ。P180の登場当時の日本円での価格が20,000円前後だったので、進化した上でこの価格はかなり安く感じる。「現在のPCケースの価格トレンドを踏まえ、グローバルでの大量生産を前提に、市場で勝てる価格を設定した」(同社スタッフ)ということなのだそうだ。発売予定は今年の9月を予定しているという。
ほか同社ブースの展示では、電源ユニット関連でも興味深いものを見ることができた。発売未定の試作機との扱いで、80 PLUS PLATINUM対応の電源ユニットの展示もそのひとつ。この展示では、利用効率の基準が高いため、各種ケーブルが直付けという程度しかわからない代物だったが、面白かったのが80 PLUS PLATINUMにまつわる同社スタッフの解説で、「恐らく今後はPLATINUM対応の電源が大量に市場に登場するだろうが、注意して欲しいのは、利用効率の基準を満たすためだけに腐心し、リップルノイズが抑え切れていない電源が出回る可能性がある」というものだ。なんでも、ノイズを無視すれば効率の数値自体は割と高くすることができるのだそうで、極端に価格の安いPLATINUM電源などは、よく調べてから購入した方が良いとのことだ。
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Antecの電源関連のデモで、面白かったのでここで紹介。以前CES 2011の記事で紹介した、2台のトップエンド級システムを1台の電源ユニットで動かしてしまうデモのCOMPUTEX 2011版だ |