米Antecは、CESでその年の新製品を披露するのが恒例となっている。今年もブース出展があったので、例年通りこの模様をレポートしたい。

新製品を紹介してくれたのは、米Antecのプロダクト・マーケティング・マネージャー、Ryan Richards氏。姓でピンときた人は余程のAntecマニア。実は同氏、秋葉原でも名の知れたAntecの"スコットさん"こと、同社上級副社長のScott Richards氏の息子

ところで、写真の「soundscience」ロゴは、オーディオ周りのPC周辺機器を取り扱う、Antecの新ブランドのもの。先ほどのRyan Richards氏が、このブランドを担当している

写真の製品は「soundscience rockus 3D/2.1」。同社独自の3Dsst技術により、擬似3Dサラウンドを実現した2.1chスピーカーだ。昨年末に日本でも発売が開始された

PC周辺機器としてはもちろんだが、ゲーム機やAV機器と組み会わせてもかなり効果が得られる

人気PCケースの改良版

フロントパネル上部に2.5インチのオープン型ホットスワップベイを装備しているという特徴がある「DF-85」にマイナーチェンジモデルが登場していた。同2.5インチベイは、現行モデルでは裸の2.5インチデバイスに対応しているが、ケース側のベイに最初からアダプタをかますことで、外付けHDDケースなどに内蔵したままでも直付けができるように改良を施したモデルだ。展示では、Seagateが米国市場で展開している2.5インチ外付けHDDが対応製品として紹介されていた。

「DF-85」のマイナーチェンジモデル。他にもフロントI/Oの青いポートはUSB 3.0対応だったりする

アダプタの着脱で、指定された外付けHDDであれば直付けできるようになった。対応製品の入手性さえ確保できれば、日本でも発売して欲しいモデルだ

同社のスタンダードクラスのATXケースである「Sonata」に、新型の「Sonata IV」が登場していた。旧モデルのSonata Elite等のコンセプトを多く引き継ぐが、大きな違いは標準搭載の内蔵ATX電源の容量アップで、最新のPCパーツにも幅広く対応できる620W電源を採用。ほか、フロントI/OにUSB 3.0ポートを設けるなどしている。米国では199ドル前後で発売されるそうで、日本市場向けの発売も検討されている。

「Sonata IV」。見た目や内部構造は旧モデルに似ている。USB 3.0対応と電源ユニットの性能アップが主な進化ポイントだ

ほか、こちらは日本市場でも先日発表された「NINEHUNDRED TWO V3」。USB 3.0対応、CPUカットアウトの改良、水冷ホールの設置などの改良が施されている

日本未発表の電源新シリーズ

電源ユニットもAntecの人気製品のひとつ。日本国内では現時点で未発表となる新シリーズの電源ユニットが紹介されていた。Antec製の電源は、現在日本国内向けでは「TruePower」シリーズ最新の「TruePower Quattro」や、「EarthWatts」シリーズなどが展開されているが、今回登場していたのは性能重視のゲーマー向け「HIGH CURRENT GAMER/PRO」シリーズ。

「HIGH CURRENT GAMER」と「HIGH CURRENT PRO」シリーズ

HIGH CURRENTはトップエンドのTruePowerのひとつ下あたりに位置付けられるシリーズようだが、性能にはかなり自信があるようで、会場内ではGeForce GTX 580×4枚やCore i7-980X×2個、その他諸々を組み込んだ実行電力1200W弱のシステムを、定格1200W容量の「HIGH CURRENT PRO 1200」×1台で安定動作させるというライブデモを披露していた。

こちらが会場で披露されていたライブデモのシステム。Core i7-980Xに、SLIのGeForce GTX 580、その他諸々のトップエンド級システムを2台用意し、それを1台のHIGH CURRENT PROで動かしてしまっている。負荷もガンガンかけており、筆者が確認した時のワット計測機の数字は1187W(!)。スペックに偽り無しであることを証明していた