KDDI研究所は、3D CGキャラクターに対して、簡単に様々なジャンルの動きをつけることが可能なアニメーション生成技術を開発したことを発表した。同技術を利用すると、3D CGで制作したキャラクターにダンスをはじめとした滑らかな動きを自動かつ高速で付けることが可能になるという。

近年、3D CGキャラクターを用いたアニメーション制作とその利用が進んでいるが、キャラクターを動かす上で、高価なモーションキャプチャシステムを必要としたり、キャラクターの関節位置を時間ごとに手作業で指定する必要があるなど、手軽に制作するための技術が求められていた。

今回、同社では、人体の動きに関するモーションデータを短時間ごとに細分化し、セリフの進行やリズムに合わせてつなぎ合わせることで、自動的にキャラクターを動かすアニメーション技術を開発した。

特に、時間を要する細分化モーションデータのリズム分析やつなぎ合わせパターン解析を事前に行ってデータベース化したこと、ならびにつなぎ合わせをセリフや音楽開始のタイミングから開始できるようにしたことで、任意の長さのアニメーションを数秒で表示開始することを可能にしたという。

自動動き生成に関する従来方法と今回の技術の比較

実際に同技術を用いて音楽に合わせてダンスする3D CGキャラクターアニメーション生成を行ったところ、自動生成でながら、音楽のビートと動きが一致した滑らかなダンスが生成できたという。同技術はモーションデータのジャンルを増やすことで、ダンスだけでなく、様々な動きをつけることができるほか、曲間やセリフ間の特定の箇所において動作を指定し、演出意図をアニメーションに反映することも可能となっている。

スマートフォンで同技術を利用する場合では音楽と、別途その音楽より抽出したリズム情報を用いることで、リアルタイム自動生成・表示が可能となる。

音楽コンテンツを対象として、ダンス動作をスマートフォン上で自動生成するイメージ図

将来的にはスマートフォンでも、すでにPCでは実現しているリズム情報の抽出も含めてリアルタイム化する予定としており、今後は、スマートフォンを用いた新しい音楽コンテンツの楽しみ方を提案するために、音楽やキャラクターを一般ユーザ向けに配信して、ダンスアニメーションを楽むことができるAndroidスマートフォン向けアプリケーションを開発する予定としているほか、3D CGキャラクターアニメーションを利用した広告や映像番組など、幅広い応用が可能なソフトウェアソリューションに発展させていく予定としている。