2011年の2月にスペイン・バルセロナで開催された「Mobile World Congress 2011」で英Sony Ericssonは、PlayStationのゲームがプレイ新型スマートフォン「Xperia PLAY」を発表。Sony Ericssonのエグゼクティブ・バイス・プレジデント兼チーフ・クリエーション・オフィサーの坂口立考氏、Head of MarketingのSteve WalkerのSteve Walker氏がXperia PLAYの展開を含む同社の戦略について語った。
満を持して発表した「Xperia PLAY」
Walker氏はXperia PLAYの投入について「Sony Ericssonにとって過去最大の発表」と説明。坂口氏は端末の開発について、「準備を始めたのは2005年。だが、すぐに製品開発を始めたのではなく、アイディアレベルで膨らませるところからだった」と振り返る。その後、実際の開発に約1年を費やし、Mobile World Congress 2011で晴れて発表となった。2011年の発表となったのは、「3GやWi-Fiの普及、端末側の処理能力、オープンなエコシステム」などの環境が整っていることが必要だった為だ。中でも「Androidのエコシステムがある程度成熟している必要があった」という。
Xperia PLAYは同社がシリコンバレーに持つ拠点で開発したスマートフォンだという。この拠点では、2008年発表したXperiaブランド1号機となる「Xperia X1」(Windows Mobile搭載機)などを開発しており、これら過去に提供してきた端末の集大成がXperia PLAYだという。坂口氏は「妥協のない製品」と自信をみせる。
またXperia PLAYはPlayStation認定を受けた端末だが、あくまでもSony Ericssonのスマートフォンだ。ソニーの携帯型ゲーム機「プレイステーションポータブル(PSP)」の後継機種「Next Generation Portable(NGP)」と同じく、Android端末向けゲームプラットフォーム「PlayStation Suite」を搭載するが、「プレステケータイ」ではない。坂口氏はSony EricssonのXperiaブランドとして提供することを強調する。
一方で、ソニー傘下のゲームソフト企業「Sony Computer Entertainment(SCE)」がPlayStationのゲームタイトルをXperia PLAY用に提供するなど、ソニーの系列企業である強みも前面に出す。Xperia PLAYの発表会時も、ソニー代表取締役社長兼グループCEO平井一夫氏が登壇し、以前から一部エンジンニアが同じフロアで協業するなど密な関係を築いてきたと説明し、今後も「Sony-ness(ソニーらしさ)を出していきたい」と述べた。なおXperia PLAYのコントローラーはPlayStationのコントローラーを設計したエンジニアが手がけたとのこと。