実運用を考慮したOSイメージ

ユーザーのシステム管理業務効率化を実現するうえで、特にこだわっているもう1つのポイントがOSイメージだという。

一般的なVPSでは、必要なアプリケーションが揃えられていても、細かい設定まではあまり考慮されていない。それに対し、WebARENA SuitePROでは、ハードウェアリソースやアプリケーションのバランスを考えて、独自の設定を施している。

「例えば、Apache HTTP Serverのデフォルトのプロセス数は512に設定されている。このままでは、大規模なリソースを契約したユーザーでないかぎり、安定した運用は難しい。そこで、WebARENA SuitePROでは、リソースや他のアプリケーションとの関係を考慮しながら、ソフトウェアごとに最適な上限値を個別に設定している」(伊藤氏)

こちらも、先述のSSHのリセット機能と同様、問題が生じて初めてわかる、あるいはそもそも問題を生じさせない機能なので、通常利用の範囲ではなかなか気づくことのない部分だ。むしろ、他のサービスに触れたときに初めてそのありがたみがわかるものと言える。

"1Gbpsのゆったり共有"が実現する高速通信

NTTPC データセンタ事業部 技術開発部 サーバプラットフォーム担当 萩原正浩氏

WebARENA SuitePROでは、1Gbpsの共有回線を提供している。ただし、VPSにおいてこれは決して珍しい数字ではない。それでも、技術開発を担当する萩原正浩氏は、「他のVPSよりも高速だという自信がある」と語る。その根拠となるキーワードは、他にはない"ゆったり共有"だ。

「具体的な数字は言えないが、WebARENA SuitePROは他社のサービスと比べてネットワーク1本あたりに接続するサーバの数が確実に少ない。データセンター内の回線の数がほかよりも多いうえ、それを"ゆったりと共有"しているため、回線がパンパンになるようなことは少ない」

1Gbpsの共有ネットワークを謳いながらも、まったくパフォーマンスがでないVPSは珍しくない。NTTPCでは、ユーザーが快適に利用できることを第一に考え、"ゆったり共有"という設計にしているのだという。

シマンテック製ソフトを無償提供などの特徴も

以上、本稿では、WebARENA SuitePROのなかなか表に現れない、知られざる魅力を中心に取り上げてきた。いかがだっただろうか。

スペースの都合上、割愛したが、WebARENA SuitePROには、先に挙げたとおり、そのほかにもシマンテック製迷惑メール対策ソフトが無償提供されたり、フェイルオーバー機能やストレージ/ネットワーク冗長化などの高可用性サービスが提供されたり、さらには、クレジット決済で即時に利用が開始可能、ディスク/メモリ/CPUリソースをオンデマンドで拡張/減少可能といった特長もある。特にウィルススキャン/迷惑メール対策ソフトについては、オプションで有料提供しているサービスはあるが、無償提供しているのは珍しいと言える。

詳細はWebARENA SuitePROのWebサイトに記載されているので、興味のある方はご覧になるといいだろう。