NVIDIA Japanは13日、同社のモバイル端末向けチップ「Tegra 2」の説明会を開催、その性能をアピールした。Tegra 2は、モバイル向けで初のデュアルコアチップとして、現在は主にAndroid搭載タブレット端末に採用されている。

デュアルコアでハイパフォーマンスなTegra 2

Tegra 2は、2つのCortex A9プロセッサ、GeForce 6/7世代のグラフィックス、HDビデオエンコーダー、HDビデオデコーダー、オーディオプロセッサ、第3世代のイメージングプロセッサ、そしてそれらを制御するARM7の8つのプロセッサを1パッケージにしたSoC(システムオンチップ)だ。CPUを2コア搭載するデュアルコアを採用することで、モバイル端末でのマルチタスキングがよりスムーズになり、JavaScriptの高速動作などによる快適なWebブラウジングを実現。さらにモバイル端末での動作が難しいFlashも、アドビシステムズとの協業で最適化することで、ほかのチップを使ったモバイル端末に比べて滑らかに動作することがメリットだ。

Tegra 2の前身Tegraチップ。Tegra 2のサイズはこれと変わらないという

Tegra 2のスペック。8つのプロセッサを搭載。CPUのクロックスピードは1GHz、8コアのGeForce、1080p対応のビデオデコーダーなどから構成されている

同社のテクニカル・マーケティング・エンジニアのスティーブン・サン氏によれば、ファイルのダウンロード、音楽のストリーミングをしながらゲーム(Dungeon Defender)をしていたとき、モバイル端末向けのチップではQualcomm 8255、TI OMAP 3640、Samsung PC110と比べてより高いフレームレートでゲームが遊べ、ゲームのグラフィックスもTI OMAP 3640の2倍以上であり、ほかのチップよりも高速だったという。JavaScriptのベンチマークではほかに比べて2倍程度のスピードを実現。FlashやHTML5の描画でも数倍レベルの高速な動作が可能だったそうだ。

Webサイトの表示スピード。さまざまなベンチマークを取ってみると、ほかのチップに比べて高速に動作している

FlashとHTML5の動作スピードも高速

デュアルコアによって、複数の作業を同時に行っても快適に動作するのも特徴

実際の動作。Flashベースのアメーバピグをブラウザで動作させても快適に操作できる

シングルコアだったTegra以前では、ゲームの描画も粗く、影などの描画も不自然だった。しかし、Tegra 2に対応したゲームでは、より滑らかな輪郭やリアルな影、背景のアニメーションやレンズエフェクトなど、より高度な描画が可能になった。

ゲームのパフォーマンスも最も高速

Tegra以前とTegraを比べると、描画性能が大幅に向上している

パフォーマンスの向上によって、ゲームレベルやアイテムの追加も可能に

より詳細な描画、レンズなどのエフェクト、背景の観客などのアニメーションといったさまざまな効果も加えられるように

実際のゲーム画面。右がTegra 2。より詳細な描画になっている

Tegra 2に対応したゲームについて、同社では「Tegra Zone」に情報を集めており、Android端末で閲覧できる。そこからAndroid Market経由でゲームのダウンロードが可能なほか、Android Marketとは異なり、発売前のゲームの情報も提供されるそうだ。

Tegra対応ゲームの情報を集約したTegra Zone