富士キメラ総研は4月15日、データセンターサービス市場の調査結果を発表した。それによると、2015年における同市場の規模は2010年比で25%増の1兆5022億円になると予測されている。

この調査は同社が2010年12月~2011年2月の期間にて、ホスティングサービスやコロケーション、SaaS、通信回線、運用サービスなどを提供する事業者やユーザー企業に対して行った面接取材や関連文献、アンケート調査などの結果をまとめたもので、戦略分析の対象となっている主要データセンター事業者は29社となっている。

データセンターサービス市場の成長予測 (資料: 富士キメラ総研)

同調査によれば、2010年のデータセンターサービス市場は1兆2020億円(前年比3.6%増)とされ、今後は新規案件が市場を牽引することによって2015年にはこれが1兆5022億円になると予測されている。

同社はこの数値について、「震災の影響でデータセンターへの移行を進める企業なども多く見受けられることから、市場は当初の予測を上回ると見られる」としている。

事業者側の動向について同社は、「価格下落が続く中、より付加価値化した展開の重要性が増している」とし、マネージドサービスやIaaSやPaaSといったクラウド型のサービスに注力している傾向があると分析。各事業者がこれによって収益性の向上を図ろうとしている状況であるとの見解を示している。

なお、今回の調査で判明したユーザー視点でのデータセンターの選定理由としては、「安全性」(安定稼働やセキュリティ対策の充実度などを含む)が最も重視される項目となっており、次いで重要な項目は「取引実績」という結果となった。