独立行政法人 放射線医学総合研究所(千葉県千葉市)は4月6日、3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震の影響で生じた東京電力 福島第一原子力発電所における原子力災害による水道水からの放射性ヨウ素(I-131)の検出について、各種の除去方法の効果測定を実施したことを発表した。

水道水中に放射性ヨウ素が確認されて以降、その除去方法および除去効果をめぐってさまざまな情報が流れているが、その情報の中には、必ずしも科学的な検証に基づかないものも見受けられたことから、同研究所では、3月24日~27日にかけて千葉市内の水道水を用いて、各種の除去方法の効果の有無に関する実験を実施したという。

具体的には、沸騰、炭、活性炭、中空糸膜フィルタ、逆浸透膜(RO膜)などの放射性ヨウ素の除去効果についての実験を実施したという。

結果としては、RO水(逆浸透膜)以外では、ほとんど、あるいは限定的な除去効果(使用開始後急激に除去効果が低下し、表示上の使用限度の50%超ではほとんど効果が期待できないなど)しか期待できないことが判明したという。

なお、4月6日時点で、千葉市内の水道水中の放射性ヨウ素は濃度が低くなっており、こうした分析・評価は困難になっていると同研究所では説明している。