CINEBENCH R11.5

おなじみのCINEBENCHの結果。スレッド数が1.5倍ということで、マルチスレッドのテストではCore i7-990Xが貫禄のトップスコアだが、シングルスレッドの性能でCore i7-2600Kが強い。動作周波数が定格/Turboともに近いCore i7-990XとCore i7-2600Kでも、コアあたりの性能ではSandy Bridgeがかなり優秀なのだと再確認できた結果とも言えるかもしれない。

TMPGEnc Video Mastering Works 5

続いてはTMPGEnc。AVCHD動画(1,920×1,080/約26分/約710MB)をiPhone 4用のMPEG4 AVC形式(960×540)に変換した場合と、同じAVCHD動画をDVD準拠のMPEG2形式(720×480)に変換した場合の2通りを試してみた。なお、Core i7-2600Kに関してはクイック・シンク・ビデオを使わず、純粋にCPUパワーのみを試している。

結果は、AVCHD→iPhone 4変換ではCore i7-990Xが最速なのだが、AVCHD→DVD変換ではCore i7-2600Kが最速という微妙なものになった。そこで変換中のCPU使用率をチェックしてみたのだが、Core i7-990XはAVCHD→iPhone 4変換時に各スレッド60~90%、AVCHD→DVD変換時に各スレッド20~40%。で、一方のCore i7-2600KではAVCHD→iPhone 4変換時に各スレッド70~90%、AVCHD→DVD変換時に各スレッド40~50%と、どうやらCore i7-2600Kの方が比較的バランスよく処理が出来ていたからのようだ。

消費電力

消費電力はどうだろう。グラフはOSのデスクトップ画面を表示させて10分経過させた状態を「Idle」、OCCT Perestroika 3.1.0を用いてCPU使用率100%にしたまま、10分経過させた状態を「Peak」として、ワットチェッカーでシステム全体の消費ワット数を計測した結果だ。過去、Gulftown(Westmere)世代が電気食いだったという印象は無く、むしろ電力効率が優秀な部類の製品であったはずなのだが、ご覧のとおりSandy Bridgeの優秀さが際立つ結果となっている。

確かに高性能だが…

以上、簡単ではあるが、Core i7-990Xを少しいじってみての印象を述べると、「"Sandy Bridge"はやっぱり凄い」というものだ。ニッチな環境や特定ベンチマークでトップ性能を誇りたいわけではなく、普通にコンシューマ用途で使うのであれば(そもそもコンシューマデスクトップ向けの製品なわけで)、2011年のこの時期にCore i7-990Xを購入する動機というのは見出しにくい。ましてや、Core i7-990Xは999ドルで、Core i7-2600Kは317ドルという価格設定である。

まぁ、NehalemあたりからLGA1366を使い続けていて、アップグレードパスを模索しているユーザーにとっては、Core i7-990Xの登場で値段の下がったCore i7-970などの方が、実は注目だろうとも思う。しかしながら、パソコンでは、実益より"ロマン"が楽しく、価値があることも多々あるわけで、6コア/12スレッドのExtreme Editionプロセッサに、このロマンが存在していることも確かなのだろう。