iPhoneでFlash動画が見られる!

「Skyfire Web Browser」はiPhoneでは再生できなかったFlash動画を視聴できるアプリである。その仕組みは、Flash動画が使われているページに訪れた際、データをSkyfireのサーバに送信し、再生可能なHTML5形式に変換して動画を表示するというものだ。リリース直後、わずか5時間で一旦販売を中止せざるを得なくなったことで話題となったが、これは販売数が多すぎてサーバへの負荷が高くなり過ぎるのを回避するための措置であったとされている。

ブログなどに貼り付けられた動画はもちろん、USTREAMの中継も再生が可能である(ただし、リアルタイムの動画は、サーバにデータを送信し、それを戻して再生するといった構造上、ややタイムラグが生じる)。最新のバージョンで再生可能なのはFlash動画のみで、ActionScriptを使ったインタラクティブなコンテンツなどは再生できない。また、同一ページに二つ以上のFlash動画ファイルが存在した場合、再生できるのは一つだけとなっている。この辺りの問題は順次のバージョンアップで解決してくれることだろう。

ブラウザ上でポップアップしているウインドウの再生ボタンを押せば、動画が流れ始める

USTREAMでは、リアルタイムの映像も録画してある映像も再生可能。ブラウザ上では「見られない」というアラートが表示されているが、問題なく再生される

横向きでも縦向きでも再生が可能

ソーシャルメディアとの連携に注力したブラウザ機能

「Quickview」を使うとFacebookおよびTwitterのチェックを簡単に行える。「Share via…」は各種ウェブサービスとの情報共有に便利

発売当初は、やはりFlash動画の再生機能に注目が集まったが、「Skyfire Web Browser」はもともと、各種スマートフォン用のインターネットブラウザとして提供されていたアプリである。通常のwebサイト閲覧には申し分ないというのはもちろんだが、FacebookやTwitterとの連携には目を見張るものがある。これも大きな魅力だろう。「Quickview」という機能は、現在閲覧しているページを閉じることなく、クリックひとつでFacebookとTwitterをチェックして、もとのページに戻れるというものだ。「Share via…」という機能では、Facebook、Twitterのほかに、メールやGoogle Reader、Instapaperなどで情報の共有が行える。

キーワードを入力しての検索は、動画、画像、トレンド、ツイートと、さまざまな情報収集を一斉に実行できる(現時点では2バイト文字に完全には対応していないので、検索文字列が日本語の場合、文字化けするのだが、検索結果には入力した文字列が正しく反映される)。タブは8つまで拡張可能だ。これらの機能をざっと見て、単にFlashコンテンツを再生させるためのアプリではなく、ソーシャルメディアや各種ウェブサービスとの連携を重視したブラウザアプリとしての可能性を追及していくのかなという印象を受けた。今後のさらなる機能の拡張に期待したい一本だ。

下の右から二番目のボタンを押すと動画、画像などの一斉検索ができる

日本語の入力に完全には対応していないので、リストアップされた候補が文字化けしている。ただし、検索の結果には入力した文字列が正しく反映される

「ビデオ」「トレンド」「ツイート」「画像」の四項目で検索結果を表示してくれる

対応モデルは、 iPhone、iPod touchおよびiPad互換、OSはiOS 3.0以降、ジャンルはユーティリティ、アプリサイズは2.9MB、対応言語は英語、ドイツ語、執筆時のバージョンは2.1.0。なお、本アプリとは別に、iPad専用版の「Skyfire Web Browser for iPad」もリリースされている。そちらの価格は600円。