CES 2011のLenovoブースにて、「ThinkPad T420s」とされるノートPCのプロトタイプが展示されていた。個人的に昨年の"ベストバイ"だったThinkPad T410sの後継機だ。あくまでプロトタイプなので製品版でどうなるかは断言できないものの、Sandy Bridge世代のプロットフォームを採用しているほか、ストレージドライブが2.5インチ対応に改良されていることが確認できた。

「ThinkPad T420s」のプロトタイプ

今回のThinkPad T420sは、同社がCESにあわせて発表した第2世代の「Lenovo Enhanced Experience」(Lenovo EE)の技術展示コーナーにひっそりと展示されていた。ちなみに第2世代のEEだが、従来のEE同様に、BIOSレベルにいたるまでシステムの起動プロセスを精査、最も効率的にプロセスを組み替えるなどし、システムの起動速度やシャットダウン速度を高速化するというものだ。第2世代のEEでは、さらにチューニングを進めて速度アップを実現している。

第2世代の「Lenovo Enhanced Experience」のロゴ

T420sにもEE 2.0のロゴシールが貼られていた。対応製品はこのシールが目印

この第2世代EEは実際に動作デモも見せてもらったが、OSの起動が7秒ちょっと、シャットダウンもほんの数秒で完了していた。Windowsのスタートアップランチャから再起動ボタンを押してから、再起動が完了して操作を受け付けるようになるまでの時間は、大体15秒程度とかなり高速。いよいよ、EEもスリープへの移行・復帰に追いつきそうな速度にまで来ているわけだが、ちょっとやり過ぎな感も無くは無い。EEの担当者は余程の技術オタ……技術好きなのだろう。

さてThinkPad T420sだが、従来モデルからの最大の進化は、IntelのSandy Bridgeプラットフォームを採用している点だろう。なお、同社は今回IdeaファミリーなどではSandy Bridgeへの移行を始めているが、クラシックなThinkPadシリーズではSandy Bridge世代が未だ発表されていない。ブースでつかまえたThinkPad製品の担当者によると、ThinkPadのSandy Bridge世代の発表は、2011年の2月~3月あたりになるとの回答を得ることができた。

右側面と左側面。このあたりのインタフェースの並びなどはT410sとほぼ同じのようだ

天板。バッテリランプなどの位置が右端になっている。細かいところだが、T410sでは左端だった

電源やThinkVantageのボタン類の位置などはT410sと一緒。キーボードもT410s同様にEscとDelが大きいタイプ

参考までに、手元にあったT410sの写真を掲載。T420sは、外観はほとんど変えず、中身を大きく改良したモデルとして登場しそうだ

ほかT420sでトピックなのが、ストレージドライブの2.5インチ対応だ。T410sはこれが1.8インチだった。言うまでも無く、1.8インチよりは2.5インチの方が市場での入手性の面では優れている。例えば人気のIntel製SSDなどは、1.8インチ版が量販店やPCショップなどに出回ることは殆ど無い。ストレージドライブもドライバ1本ねじ1個で簡単に交換できるThinkPadだからこそ、この改良は非常に嬉しい。

こちらも参考までに、これはT410sのストレージドライブベイ(写真の中央あたり)。バッテリを外して、ねじを1個外すだけで、即交換できる。2.5インチになれば、Intel X25-Mなどの人気SSDへも簡単に導入できてしまう

なお、今回展示されていたT420sの主なスペックだが、担当者に聞けただけで、CPUがデュアルコア/2.6GHz動作のIntel Core i5-2540M、14インチのLCDディスプレイ、光学ドライブ、バッテリは6セルのリチウムイオンといったもの。ディスクリートのGPUは搭載しておらず、Sandy Bridgeの統合GPUを利用しており、ACアダプタも90Wではなくて65Wタイプを接続していた。T410sの様に、ディスクリートGPUのオプションがあるのかは不明だ。

ところで、展示のT420sではパームレスト部など、本体の表面がやけに"つるっとした"素材になっているが、これはプロトタイプだからだそうだ。製品版では、いつもシックなThinkPadの質感になるとのこと。